(イメージ / Pixabay CC0 1.0)
人は時折、多くを求める。しかし、その多くは成し遂げられず、無駄に多くの負担を増やしてしまうだけだ。自分の人生を計画できないのか、少し欲張りなのか、明確にするのは本当に難しい。
数日前、地方へ会議に行くのに、往復で三日掛かった。会議に出席するだけで、仕事の必要も心配事もないので、何か他の事もしようと思った。移動中に勉強しようと思い、トランクの中にビジネス書とノートを入れた。途中で髭を剃るために髭剃りも入れた。夜、書類を作成するためにノートパソコンも入れた。夜中に食べ物を買えなかったり、腹が減ったりした時のために、数枚のクッキーも準備した。その他にティッシュやデジタルオーディオプレイヤー等…。その結果トランクは荷物でパンパンになってしまった。
結局、移動中ビジネス書を数ページ読んだだけで、乗り物酔いしてきたので寝てしまい、目覚めるともう降車駅に着いていた。その後、何時間も歩きやっとホテルを見つけたが、あまりの疲れと眩暈で、倒れるように眠りに落ちてしまった。目覚めた時、既に夜の7時過ぎで、小さな食堂を見つけて食事をして、しばらくテレビを見て、友人と世間話をしたが、書類を作る気力は全く無かった。結局、会議が終わり家に帰るまで、準備した全ての物はほとんど役に立たず、又この重いトランクを背負って自分の町の自分の家まで帰らなければならなかった。
楽しい旅のはずだったが、この重いトランクに邪魔され、失敗になったと言えるだろう。よく考えてみると、人の一生も似ているのではないだろうか。多くを求め、多くを準備するが、本当に実現できることは少なく、結果的に無限の悩みを伴う。目の前の利益の誘惑とらわれず、重大な選択を前に、放棄することを知っていれば、人生のあらゆる場所が風景になり、人生は更に美しく変わる。手放す事、視点を変える事、見定める事ができる人は、人生を楽しむ方法を知っている。
多分、これが人としてあるべき生活なのではないだろうか?
(文・唐風/翻訳・謝 如初)