現在、「京津冀(けいしんき)」(北京市・天津市・河北省)地域を襲った洪水が徐々に引いており、多くの被災者が家に戻っている。しかし、かつて温かい家はすっかり変わり果て、道路脇に多くの動物の死体が現れている。真夏の暑い時期であるため、多くの住民は適切に処理されなければ、大きな疫病が発生する可能性があると懸念している。
ネット上で出回っている動画には、洪水が引いた後の涿州市の道路脇に、大量の牛の死体が放置されている様子が映っている。また、別の動画では、涿州のある養豚場で大量の豚が溺死し、腐敗が始まり、悪臭を放っている様子が映っている。
涿州市找王村(そうおんそん)の村民は11日、助けを求めるメッセージを投稿した。「ここは涿州市内で最も遠く離れた村で、洪水の後、現在は水も電気も止まっている。多くの家畜が溺死した。そして、腐敗が始まり、死体から膿汁が流れ、臭気が漂っている。誰かが早く助けてください」
涿州市民が救援を切望している時、政府機関は助けるどころか、混乱に乗じて動物の死骸を含む大量の洪水ゴミを周辺の村に押し込もうとした。8日、涿州市蓮池村の村民が暴露したところによると、涿州市政府が未明に蓮池村に大量の動物の死体を含むゴミを投棄したところ、地元村民に発見されたという。
蓮池村はもともと今回の洪水の被害が深刻な地域で、当局は救援を組織するどころか、かえって火に油を注いで、混乱に乗じて大量のごみを排出し、多くの村民の怒りを引き起こした。
過去の経験からも分かるように、大規模な自然災害の後、飲食水の衛生状態の悪化、環境汚染、病原体の繁殖、人々の接触機会の増加などの要因により、大規模な疫病が非常に引き起こされやすい。
郡山市保健所の調査によると、東日本大地震発生後、福島県郡山市の避難所ビッグパレットふくしまの救護所で嘔吐、下痢症状を呈する受診者が増加したことが分かった。
また、過去にヨーロッパを襲った黒死病も、感染して死亡した人の死体を適切に処理されなかったため、黒死病の拡大が加速した。
現在は暑い夏の時期であり、疫病の発生に非常に適した環境で、多くの人は涿州市で大規模な疫病が発生する可能性があると懸念している。
(翻訳・吉原木子)