河北省涿州市にある重要な図書保管基地が今回の洪水で甚大な被害を受け、損失は100億元(約1985億円)に達した。

 複数のメディアの報道によると、河北省涿州市に位置する北京西南物流センターは中国の重要な図書保管基地であり、有名な書籍販売プラットフォーム「中図網」の倉庫もそこにあった。洪水によって、約400万冊の書籍が廃棄される可能性があり、その中にはいくつかの絶版書籍も含まれているという。

 「中図網」の創業者である黄平氏は「南方都市報」に対し、涿州市にある北京西南物流センターは敷地面積が177.8ヘクタールで、100社近い出版社や出版社の倉庫がここと周辺地域にある。地勢が低いため、今回の洪水で甚大な被害を受けたと述べた。

 黄氏はまた、「洪水が来る前に、できるだけ書籍を高い場所に移動し、2000個の砂袋を用意し、発電機と揚水ポンプも用意した。しかし、洪水と暴雨が重なる状況に対して、無力しか感じられない」と述べた。

 報道によると、当時、洪水は壁を突き破り、瞬時に倉庫を半メートル以上浸水させ、倉庫の入口に積まれた大量の砂袋はあまり効果がなかったという。

 1日の夜、洪水が倉庫の2階まで広がり、数十人の従業員が4階に避難し、救助を待っていた。現場にいた従業員は、「最初はみんな本を救うために来たが、水がますます高くなるとは思っていなかった」と述べた。

 2日の午前9時ごろ、水位が下がり、閉じ込められていた従業員は全員救助された。

 「中図網」の公式ウェイボーは、「これは25年間で最も壊滅的な損失と打撃だ」とし、「損失したのはお金だけではなく、複製や増刷が不可能な希少本、絶版本、古い本もある」と発表した。

 北京時代華語国際伝媒股份有限公司も1日、倉庫の所在地が深刻な被害を受け、倉庫内の水深が2メートルに達し、すべての書籍が水に浸かって、出荷できない状況であることを発表した。

(翻訳・吉原木子)