米国がスパイ容疑のある中国人留学生のビザ発給を大量に拒否する一方、日本はこれらの学生に対してゴーサインを出している。一部の専門家は、日本は中国のスパイ活動を過小評価していると懸念している。
米国のトランプ前大統領は2020年、中国の軍民融合戦略に関連する実体と関係のある中国人に対して、米国大学院生ビザの発給を禁止する行政令を出した。この行政令はバイデン政権下でも有効であり、特に「国防七校」(北京航空航天大学、北京理工大学、哈爾濱工業大学、哈爾濱工程大学、南京航空航天大学、南京理工大学、西北工業大学)と呼ばれる7つの軍事研究機関の中国の学生に対して適用される。
しかし、これらの「国防七校」の卒業生は日本でミサイル設計に応用される工学を学ぶことができる。日本政府は6月、2021年3月までの1年間で、「国防七校」の6つの学校から39名の学生が日本に留学していたと発表したが、彼らが具体的に何の専攻を学んでいるのかは分かっていない。
また、一部の政府高官や学界の管理者は、学術交流を理由に中国人学生の来日を歓迎している。東京大学理事である相原博昭氏は「中国の学生の立場からすると、米国はもはや彼らを考慮していないし、彼らを拒否している。日本では、彼らはより人気がある」と述べた。
立命館大学の客員教授である宮家邦彦氏は、日本が中国のスパイの楽園であると警告し、日本の学界は中国が日本の文化や教育交流への浸透を過小評価していることを懸念している。
ハーバード・ケネディ・スクールの情報・国家安全保障の専門家であるカルダー・ウォルトン(Calder Walton)氏は、「中国共産党は外国の研究機関に浸透し、軍事や産業の発展に役立つ情報を収集し始めている。日本は米国の重要な情報提携パートナーであり、したがって日本の国家安全保障に影響を及ぼす可能性のあることはアメリカにとって非常に重要だ」と「ウォール・ストリート・ジャーナル」に語った。
(翻訳・吉原木子)