中国の秦剛(しん・ごう)国務委員兼外交部長が1か月近く公の場に姿を現わさず、各国の政界や民間の多くの人々の注目を集めている。
秦剛氏が最後に公の場に姿を現したのは、6月25日にベトナム外相、スリランカ外相、およびロシア副外相との面会である。
秦剛氏は今月13日から14日にインドネシアのジャカルタで開催されたASEAN外相会議に出席するはずだったが、中国外交部は、秦剛氏が健康上の理由で出席できないと発表した。
しかし、秦剛氏がそれ以降、いくつかの重要な外交イベントも欠席していることにより、外界では彼の行方に疑問が生じている。これに対して、中国の外交部報道官らは「詳しい情報はない」と対応してきた。
海外メディアが17日、毛寧(もう・ねい)報道官に対して、「秦剛氏はまだ外交部長を務めていますか?」と聞いたところ、毛寧氏は「中国外交部のウェブサイトを確認することをお勧めします」と述べた。
また、中国の謝鋒(しゃ・ほう)駐米大使は19日、秦剛氏の行方について問われた際、「ちょっと待ってみましょう(Let’s wait and see)」と笑顔で答えた。
ロイター通信は、秦剛氏の消息不明は、中国政府の人事が依然として極めて不透明であることを再び浮き彫りにしていると報じた。
中国当局が秦剛氏の行方について明確な回答をいつ出すかについて、台湾政治大学の元外交学部長である劉徳海(りゅう・とくかい)氏は、秦剛の問題によって、中国当局はすでに苦境に陥っており、もし外交部長を変えるなら、公式がこれまで出してきた「病気」の言い訳が嘘だと自ら認めることになる。一方で、人事を変えずに、ずっとこのような曖昧な対応を続ければ、当局はますます困ってしまうと指摘した。
(翻訳・吉原木子)