中国ではこのほど、「中国建築第八工程局有限公司(以下、中建八局)が高速鉄道の手抜き工事で実名告発された」というニュースが話題となっている。

 『経済参考報』の報道によると、山東省萊栄高速鉄道の請負業者である河南省三捷実業有限公司が、総請負会社である中建八局が手抜き工事を行っていると実名で告発した。

 三捷実業有限公司の責任者である肖衛国氏は、私たちは工事品質に対する終身責任の誓約書に署名している。もし、工事の設計図や施工技術規範に従わずに施工が行われた場合、事故が発生すれば、責任を追及されることになる。しかし、萊栄高速鉄道の一部の路盤区間で使用される大部分の杭が設計要求を満たしておらず、重大な安全上の問題がある。中建八局が担当した杭工事(設計長さ14.5メートルあるいは15.5メートル)は、設計図に従って施工されておらず、実際の杭の長さはほとんどが10メートルから13メートルしかないと述べた。

 肖氏はまた、中建八局の責任者に杭の長さの問題を何度も報告したが、相手はなんと「やりたくなければ、帰れ」と返答した。

 現場で施工に携わった複数のスタッフも、「杭の実際の長さは設計図よりも短く、このようにすることで、中建八局は大幅に経費節減をすることができる」と述べた。

 報道によると、萊栄高速鉄道は山東省の主要プロジェクトで、全長193キロメートル、総投資額は297億元(5798億円)で、設計時速は350キロメートルであり、2020年11月に建設を開始し、2023年10月末に開通する予定だという。

 この事件が公になったことを受け、中国建築株式会社の取締役会事務局は20日、関連情報をすでに承知しており、現在は調査中だと発表した。

(翻訳・吉原木子)