昨年から預金を引き出せなくなった河南省の一部預金者は2日、開封市で抗議デモを行った。
ネットユーザーが投稿した動画には、ある中年の女性が泣きながら、「河南省政府、私の預金を返せ」と叫んでいる様子が映っている。
中国社会は経済の低迷や失業率の上昇などのような状況下で、習近平総書記は極端な事態に備える必要があると何度も警告している。この背景の中で、河南省の預金者の抗議は各界の注目を、中国の各大手銀行の安定性に向けさせた。以前から中国で銀行の破綻が起きることは避けられないだろうとの指摘もあった。
経済学者の程暁農氏は、中国の不動産市場の崩壊が地方政府を財政難に陥れた。地方政府が常に銀行や証券会社から借金をしているが、実際には市民の貯蓄を使っている。地方政府が借金を返せないと、銀行は預金者にお金を返すことができず、このような状況はいつか大きな問題になるだろうと分析した。
程氏はまた、不動産業の崩壊が中国経済の最初のドミノピースであり、不動産業と共に栄える銀行業界が2番目のドミノピースだ。現在、中共が最も恐れているのはこの2番目のドミノピースの崩壊で、銀行が破綻すると、市民はお金を引き出すことができず、経済危機は政治危機に発展する可能性があると述べた。
(翻訳・吉原木子)