中国共産党(以下、中共)の「反スパイ法」改正案は1日正式に施行された。この法案はスパイ行為の定義を拡大し、中国の国家安全執行機関の執法権を強化し、中国の郵便、電気通信、インターネットサービスなどの機関や個人に中共のスパイ対策に協力するよう要求している。
今回の改正案は、中共が2014年に制定した「反スパイ法」の重要な改正である。中共が定める法律は通常、非常に曖昧であり、この「反スパイ法」に違反すると、企業は罰金や営業免許の取り消しに直面し、外国企業のマネージャーや外国人雇用者は刑事訴訟や出国禁止、さらには裁判なしで数週間の拘留を受ける可能性もある。中共が反スパイ法を制定して以来、日本人を含む少なくとも数十人の外国人がスパイ容疑で当局に拘束された。
一部の専門家は、改正された「反スパイ法」により、外国人と外国企業が中国での業務リスクを増加させ、中国当局による捜査、拘束、個人の出入国禁止措置の権限を強化したと分析している。
「ノイエ チュルヒャー ツァイトゥング」紙は、この改正案の発効により、「ごく普通の市場調査や競争相手の情報収集であっても、今後は反スパイ法の対象になる可能性がある」と指摘した。
米国のニコラス・バーンズ駐中国大使も、「この改正案が正常な商業調査を違法行為に変える可能性がある」と懸念している。
(翻訳・吉原木子)