中国の大学では最近、学費の値上げが一般的になっています。安徽省芜湖市(ぶこし)の男子大学生が、学費捻出のために路上で露店を出していたところ、城管(都市管理職員)に暴行されるという事件が発生し、ネット上で怒りの声が広がっています。
中国の各都市で露天商の無許可営業や違法駐車などを取り締まる「城管」と呼ばれる治安要員の不正や横暴ぶりに、市民らの怒りが高まっています。ネット上では露天商らに殴る蹴るなどの暴行を加える城管の映像が数多く投稿されているほか、城管に反発する市民らとの衝突も頻発しています。
露店を出した大学生、城管に暴行される
ツイッターユーザーの「Hero Weliam」が6月18日、芜湖市の貧困家庭の大学生が学費を稼ぐために露店を出した際、城管に暴行されたとツイートしました。
動画には、複数の城管が街中でいわゆる「法執行」を行っており、赤いシャツを着た若者が一人の城管に掴みかかられ、その城管が手を上げて若者を平手打ちし、他の城管は通行人の写真撮影を阻止している様子が映っています。
動画投稿者は、「城管は、夏休みに学費捻出のために働いている子供たちをこんなふうに扱っている!これが芜湖市の城管だ。こんなひどいことを暴かなければならない」
これに対し、ネットユーザーからは激怒するコメントが寄せられました。
「これらの城管は本当に悪質だ!こんな邪悪な共産党政権は打倒しなければならない」
「国民を侮辱することが国民への奉仕なのか?」
「土匪ですらこんな恥知らずの行為もしないだろう」
「マルクス・レーニン主義を追放し、中華を復興させよう!共産党がいなくなることで、初めて新しい中国が誕生する」
中国の大学、相次いで学費を値上げ
中国の「中国新聞周刊(China Newsweek)」誌は、今年に入ってから、各地の大学では学費の「値上げ」が相次いでいると報じました。上海市、吉林省、四川省などの地域の大学が新入生の学費を引き上げました。
上海市では、2023年の秋学期から国公立大学の平均学費を年間5420元(約10.8万円)から7215元(14.4万円)に引き上げる予定で、約33%の値上げとなります。
上海師範大学や上海機電学院など、上海の多くの大学が学費を調整すると発表しています。華東理工大学では、一部の理科、工学、体育専攻の新入生の学費を54%増の7700元(約15.3万円)、文科専攻の学費を30%増の年間6500元(約12.9万円)に引き上げました。
四川省は今年初めに、2023年の秋学期から文系と理工系の学費を同時に1100元(約2.2万円)引き上げることを発表しました。文系と理工系の年間学費はそれぞれ4800元(約9.6万円)と5200元(約10.4万円)、医学系は年間5800元(約11.5万円)になります。一部専攻の学費は最大で41%も値上げされました。
吉林省も3月17日に、今年の秋入学から公立一般大学の学費を引き上げると通知を発表しました。人文科学の学費は年間4600元(約9.16万円)、社会科学系の学費は年間4800元(約9.6万円)、理科・農学・体育の学費は年間5000元(約10万円)、工学の学費は年間5400元(約10.8万円)になります。
清華大学、外国留学生の補助金を年間約600万円に増額
清華大学の外国留学生への補助金が2023年に年間30万人民元(約597万円)に引き上げられた」と、あるツイッターユーザーが6月13日にツイートしました。
「ネットイース(網易)」2022年8月2日に掲載された記事によると、清華大学の教授の平均年収はわずか20万元(約398万円)です。つまり、清華大学の外国留学生の補助金が、同大学の教授の年収を上回るということになります。
中国の無料ニュース配信アプリ「今日頭条(ジンリートウティアオ)」の記事も、「オーマイガー!外国留学生の補助金がまた上がった。国民の給与は上がらない、健康保険口座のお金は訳も分からず減少し、農民の100元の年金も上がらない中、外国留学生の補助金だけが上がり続けている。さすが我が国だ」と驚きを表しています。
中国当局が黒人留学生に「超国民待遇」を与えてきたことはすでに周知の事実です。浙江省杭州市に留学する貧しい国からの黒人留学生2人は、月間消費額が18000元(約35.8万円)に達すると、ネット上で流れています。
また、あるアフリカの女性留学生は中国政府から全額奨学金を受けており、学費や宿泊費などが免除されるだけでなく、月に2500元(約5万円)の生活費補助も受けています。彼女は貯めたお金で17カ国を旅行しています。
(翻訳・藍彧)