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 働くようになると、仕事で毎日が忙しく、身体は常に疲れてしまいます。このような情況が続けば、人は、やつれてやせ細るはずだと考えそうです。しかし、多くのサラリーマンが「太った」ひいては「むくんだ」と感じています。このような肥満は「ストレス太り」、もしくは「過労死」ならぬ「過労肥満」と呼ばれています。

 では、何故「ストレス太り」は起きてしまい、どうすれば解消できるのでしょうか?

「ストレス太り」の4つの要因

1. 仕事と休息のアンバランスによる分泌障害

 米・シカゴ大学のイヴ・ヴァン・コーター教授は、かつて睡眠が肥満に大きな影響を与えることを証明する実験を行いました。睡眠不足の状態では、体内の空腹感を調節するホルモン「レプチン」が大きく変化することで、強い空腹感を感じるようになります。

 そのため会社員は、夜遅くまで残業することが多くなると、空腹を感じて暴飲暴食してしまいがちです。結果的に自ずと摂取カロリーが増えるため、太るのです。

2. 大きなプレッシャーで増進する食欲

 山積みの仕事、上司や顧客からのクレーム、人間関係におけるストレス…。これら全てがサラリーマンの心理的な防御を破壊する巨大なプレッシャーとなります。

 過度のストレスは、副腎コルチゾール指数を上昇させ、胃の蠕動運動と消化機能を増強させるため、食欲の増進に繋がりやすくなります。そして、ストレスを感じると、人は何らかの方法でストレスから意識を逸らそうとするため、多くのサラリーマンにとって「食べる」ことがストレス解消になっています。

 このような情況では、太らないようにするのは本当に難しいのです。

3. 頻繁な会食や不適当な飲食

 サラリーマンは、職場での付き合いで、会食することが多くなります。会食では、お酒を飲んだり、ごちそうを食べたりする事が良くありますが、会食での食事は、カロリーが高く脂っこい料理が比較的多いので、塩分や脂肪分も多くなりがちです。当然、これらを頻繁に食べると肥満になりやすくなります。また、接待の際、多くのお酒を飲む男性は、次第にビール腹にもなりがちです。

4. 座りっぱなしで運動量が少ない

 オフィスワーカーは、日常的に長時間座っていることが多い職業です。食事が終わるとすぐにデスクに向かい、その後また長時間座ったままで仕事を続けます。これは食物の消化に悪影響を及ぼし、かえって脂肪の蓄積を促進します。

 また、座りっぱなしで運動不足になると、基礎代謝が低下し、カロリー消費能力が低下して、痩せにくくなります。

 「これはまさに、自分のことを言っているのでは?」と感じる人が多いのではないでしょうか? では、これらの肥満の要因を回避するにはどうすればよいでしょうか?

 ここからは、「ストレス太り」を防ぐ簡単な5つの方法をご紹介します。

「ストレス太り」を防ぐ5つの簡単なこと

1. 食事の前後に水を多めに飲む

 食事の30分前に水を飲むと、満腹感が増し、食事の量を減らすことができます。

 さらに食後30分の間に水を飲むことで、胃腸の中で消化しきれなかった食物の消化を助けるだけでなく、血液を薄め、血液循環を促進することができます。そのため、食後30分に水を飲むことで奇跡的なデトックス(解毒)効果が期待できると言われています。「デトックス」は時間問わず「減量」に直結しますので、太ることを防ぐ作用を働きます。

2. 食後すぐに座らない

 食後はすぐに座らないようにしましょう。少しの時間でも壁にもたれて立つとよいでしょう。

 また、リンパの流れがスムーズにいかなくなり、脚がむくみやすくなりますので、座る時は、足を組まないようにしましょう。

3. 午後9時以降は極力何も食べない

 水を飲む以外、夜9時以降は何も食べないようにしましょう。お腹が空きすぎて耐えられなくなった場合は、フルーツを少し食べたり、あるいはヨーグルトを飲んだりすると良いでしょう。

4. 十分な睡眠をとる

 終わりのない仕事においては、合理的に仕事の時間を割り振り、睡眠時間を確保することが必要です。少なくとも7時間の睡眠を確保するようにしましょう。

 精神的なストレスで眠れない場合は、寝る前に睡眠改善のヨガをしたり、少量の乳製品を摂取してみましょう。

5. エレベーターの利用を減らし、階段をのぼる

 3階までなら、極力エレベーターには乗らないようにしましょう。デパートの買い物でも、家の出入りでも、階段が使える場合は、エレベーターを頼らずに階段を使用しましょう。階段を10階分上れば、10分間のランニングに相当する運動量が達成できます。
 

 以上、「ストレス太り」に対抗する5つの方法を紹介しました。

 「ストレス太り」で、途方に暮れてしまい、どうしようもなく感じてしまうかもしれません。しかし、健康な心の状態、規則正しい食生活、適度な運動を維持できれば「ストレス太り」は決して克服できない問題ではありません。心身の健康のために、ぜひ頑張ってみてください!

(翻訳・夜香木)