中国の地方政府がますます頻繁に罰金を科すようになったことで、中国国民の不満を引き起こし、多くのネットユーザーは、「当局が法執行の名目で儲けている」と主張した。
上海の複数の飲食店が先週、涼皮(りょうひ、中国の麺類のひとつである)にきゅうりの千切りを加えたことで、5,000元(約9.8万円)の罰金を科された。これが微博(ウェイボー)で議論を呼んだ。また、河南省のトラック運転手が先月、頻繁に高額の罰金切符を受け取ったことも話題となっていた。
中国メディアの報道によると、河南省安陽市内黄県の大型トラックの運転手は、罰金の通知書を頻繁に受け取っているという。運転手たちは、「出発前に重量オーバーをしていないのに、内黄県で量ると過重になり、高額の罰金を課せられる」と述べた。
そのうち、ある運転手は2年間でなんと58回も罰金を科され、27万5000元(約537万円)以上も支払わされた。
これに対して、内黄県の交通運輸法執行部門の責任者である張院平氏は記者に対し、「3年間のコロナ禍を経て、各地方政府の財政が困窮している。法執行は厳しくしなければならない」と述べた。「ノルマがあるか」という質問に対して、張氏は「もちろんある」と答えた。
同様のスキャンダルは数多く存在している。ブルームバーグ通信は、地方政府が財政赤字を埋めるために、罰金にますます頼る傾向があると指摘した。
中国問題専門家の曾竹君(そちくくん)氏は、「罰金やその他の規制が中小企業を窒息させると、地方政府はさらに税収を失い、罰金や中央政府に依存するようになる。これは地元のビジネス環境にとって非常に不利であり、悪循環を引き起こす可能性がある」と述べた。
(翻訳・吉原木子)