雨が降る日には、なぜか寝たくなります。シトシトと降る雨の音は、心地よいリズムを奏で、安らぎを与えてくれます。心身共にリラックスして、無意識のうちに眠ってしまいます。又、その眠りはとても気持ち良くて、目覚めた後もスッキリしています。
このような体験をした方は少なくないと思いますが、その理由について考えたことはありませんか?今回は、その理由についてご紹介致します。
1. 雨の音は「ホワイトノイズ」
「ホワイトノイズ」とは、簡単に言うとノイズ(雑音)の一種で、様々な周波数の音を同じ強さでミックスしたノイズです。例えば「サーッ」や「シーッ」という、雨粒が地面や物に当たる音、エアコンや換気扇の音などのような雑音がホワイトノイズです。
この「ホワイトノイズ」は、人間の耳に聞こえる殆んどの周波数が均等に混ざって出来ている音なので、耳障りな音(覚醒音)をかき消してくれ、普段うるさく感じる音も気にならなくなります。シトシトと降る雨の音も同じく、周囲の騒音の殆んどを遮断し「静かで快適な環境」を作り出し、人間は内側から外側まで安静な状態になります。この時、寝つきが良くなりますので、睡眠の質が大幅に向上します。
2. 雨の日は「マイナスイオン」量が増加する
雨が降ると、空気の湿度が上昇すると同時に、空気の中のマイナスイオンの量も増加します。雷の発生や、雨水と空気の摩擦により、マイナスイオンが大量に発生するからです。
マイナスイオンの増加は、人体の神経系、心血管系、血液系、呼吸系の機能を大幅に改善し、快適感をもたらします。更にマイナスイオンには、鎮静作用や催眠作用もあります。これらの要因は、私たちを良い睡眠へと誘ってくれます。
3. 雨の日は、空気中の酸素濃度が低下する
酸素が不足した環境では、人間の反応能力が低下します。雨が降ると、空気中の湿度が高くなり、水分子の量が増加し、気圧も低いので、酸素の濃度も低下します。酸素濃度が比較的低い環境では、脳に十分な酸素が供給されず、人によっては、体がだるくなり眠気を感じます。
この時、横になってしばらく休むと、酸素の消費量が減り、倦怠感や不快感が緩和できます。
4. 雨の日は「メラトニン」の分泌が増える
雨の日の殆んどは、曇りが伴うので晴れの日よりもはるかに暗くなります。暗い環境では、人間の脳の松果体から「メラトニン」が分泌されやすくなります。メラトニンは、入眠を促し、睡眠の質を高める効果があるので、雨の日は、メラトニンの効果で眠くなりやすくなり、睡眠の質も良くなります。
5. 雨の日は「セロトニン」が減る
日光を浴びると、人間の体内の神経伝達物質「5-HT」、つまり「セロトニン」の分泌が増えます。この神経伝達物質は幸福感と関係しています。雨が降ると、人間の体内のセロトニンの量が減り、情緒が影響を受け、エネルギー不足や眠気を感じます。
さらに、湿気も眠気を引き起こします。雨が降ると、湿度の上昇により空気を重く感じますが、人体の本能で軽快ですっきりした感覚を保てるように、人体が湿気を処理する必要があるため、雨の日は疲れを感じやすくなります。
6. 雨の日の人々の行動心理
雨の日は、地面が滑りやすくなり、外出が不便に感じます。外出の必要性がない場合、殆んどの人は室内にいることを選びます。窓の外の雨を見ると、外の「自然環境」と今いる「生活環境」の違いで、分離感を感じ、無意識にリラックスして、ひと時の余暇を楽しむことになります。
一方で、室内では活動が制限されるため、余分な事をしたくないという惰性も生まれ、ただベッドでテレビを見て一日を過ごす人もいるでしょう。このような状況では、眠気を感じやすくなり、いつ居眠りをしても不思議ではありません。
以上、雨の日に眠くなる原因をいくつかご紹介しました。梅雨の季節がすぐそこですね。長い梅雨がどこかに行く足を止めていたら、いっそ家で質の高い睡眠をとり、晴れの日に向けて備えましょうか。
(翻訳・宴楽)