新型コロナウイルス(中共ウイルス、SARS-CoV-2)の発生から終息まで、3年という長い時間が経過しました。この間、中国国民の収入は低く、物価はかなり上昇したため、多くのネットユーザーは冗談交じりに、この3年間を「苦しい日々」と呼んでいます。

 多くの人々は、コロナの終息後に「苦しい日々」が終わると期待していました。ところが、予想外にも新たな「苦しい日々」が訪れています。

 現在の中国社会には、新たな「苦しい日々」がやってくるということを裏付ける4つの明確な兆候が現れています。

一、失業者の急増

 3年間のコロナ流行期間中、多くの中小企業、特に外食業や旅行業などの実店舗企業が家賃、人件費などの面でかつてない困難に見舞われました。これらの企業の多くは廃業しました。

 大企業も非常に厳しい状況で、多くの大企業が廃業や倒産を回避するために、給与や人員を削減し、自己保護に努めていました。これにより雇用の機会が間接的に減少し、求職者の間で高給職に対する激しい競争が起きています。

 一部の企業の状況は改善されましたが、完全に解消されているわけではありません。多くの企業が保守的な姿勢を取り、新たな従業員を大規模に採用しない傾向があります。その結果、現在の雇用機会は非常に限られています。

 中国国家統計局のデータによると、2023年の失業率は減少せず、むしろ上昇傾向にあり、現在5.6%と非常に高い水準に達しています。今年は過去数年間で最も失業率が高い年となっています。

二、学歴の価値低下

 中国社会では、80年代、90年代の大卒者が、当時社会的に最も優れた人材と見なされていました。しかし、現在では大卒者の数が年々増加しています。多くの人が大学卒業後に大学院に進学し、博士号や修士号を取得する道を選んでいます。しかし、高学歴の卒業者の数が増えるにつれて、学歴の価値が低下する現象が起こり、就職状況がますます困難になっています。

 従来は、普通の大卒者が求められる職位であっても、企業は大学院生を求めるようになり、さらには名門大学の大学院生を優先的に採用するケースもあります。

 中国の教育部(文部科学省に相当)が最近公表したデータによると、2023年の大卒者の人数は昨年より82万人増え、1158万人に達すると予測されています。大卒者の急増により、就職の機会が減少し、学歴の価値も以前ほど高くないようになっています。

三、公務員試験の難易度がますます高くなっている

 ここ3年間、多くの人々が、コロナなどの状況に直面した際、自身の生活を保証できるのは安定した仕事だけであると気付きました。そのため、現在、多くの人々が仕事の安定性を重視し、公務員試験の受験者数が急増しています。公務員試験を受験することが若者の間で一つのトレンドとなり、数千人が一つの公務員職位を巡って競争する光景が頻繁に見られます。その結果、公務員試験の難易度もますます高くなっています。

 2023年末までに、公務員試験の受験者数がピークに達すると予想されています。なぜなら、2022年12月の試験では、ちょうどコロナの制限が緩和された時期と重なり、多くの受験生が病気を抱えながら試験を受けるか、または病気のために試験を辞退するケースが多かったのです。そのため、今年はより多くの人々が公務員試験に挑戦することになり、受験者数は驚くべき数になるでしょう。

四、医療保険改革が若者に不利

 医療保険(健康保険に相当)は、個々の利益に直結する重要な問題です。最近の中国の医療保険改革では、会社が支払うべき医療保険の一部が医療保険基金に組み込まれ、個人の医療保険口座に振り替えられなくなったという変更が行われました。つまり、会社が支払うべき医療保険は、本人が使わなかった場合には、必要な人々に分配されるようになり、個人に振り替えることができなくなったのです。

 この改革の恩恵を最も受けるのは、病気になりやすい年配の方々です。しかし、若者にとっては、これからもっと大変になるでしょう。

(翻訳・藍彧)