ベトナムと米国の関係強化は貿易関係にとどまらず、軍事面での連携も緊密になりつつある。
米軍ニミッツ級原子力空母カール・ヴィンソンは3月5日から五日間、ベトナムのダナン港を訪問した。これはベトナム戦争が終結した1975年以後、アメリカ空母による初のベトナム訪問である。
米軍のミサイル駆逐艦ウェイン・E・マイヤーとミサイル巡洋艦レイク・シャンプレインはカール・ヴィンソンと行動を共にした。空母を含め合計兵員数は6千人に上り、ベトナム戦争終結43年にして最大規模となった。
その背景には海洋進出をもくろむ中国に対する周辺地域の懸念がある。中国政府は南シナ海の海域主権を主張しているため、同じくその区域の主権を主張するベトナムの不満を招いた。これは西太平洋の安定を維持しようとするアメリカに対する挑戦でもある。
ベトナム外務省報道官は「今回のアメリカ軍艦によるベトナム訪問は両国の関係を促進しつつあり、本地域の平和、安定、安全、協力と発展に貢献するものである」とコメントした。
アメリカとベトナムはかつて敵対国だったが、1995年から双方は国交正常化に向けて努力した。2003年11月19日、米国のフリゲート艦がベトナムのホーチミン市を訪問、ベトナム戦争後初となる歴史的瞬間である。
2016年10月2日 ,米海軍の潜水母艦フランク・ケーブルとミサイル駆逐艦ジョン・S・マケインがベトナムの南シナ海に面した良港であるカムラン湾に寄港した。カムラン湾は太平洋とインド洋の戦略ルート上にあり、ベトナムの重要な軍事拠点の一つである。
また、アメリカは2016年にベトナムへの武器輸出を解禁した。双方は貿易、投資及び地域の平和維持において関係が改善しつつある。一連の流れの中、米軍空母によるベトナム訪問は米越間の軍事連携の強化を明らかにした。これはアメリカが両国間の軍事協力関係を強め、中国海軍の南シナ海における拡張を阻止する戦略的措置である。
(翻訳・時葦瑩)
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