G7広島サミットは5月20日午後、共同コミュニケを発表しました。コミュニケでは、台湾、新疆ウイグル自治区、チベット、香港、南シナ海などの問題について、主権、領土保全、紛争の平和的解決、基本的自由と人権などの共通原則を保障する必要性を強調しました。これらの内容は、いずれも中国共産党にとって敏感な問題となっています。

 G7サミットは、日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダの7カ国の政府首脳が集まり、国際政策を議論する場です。今年のG7サミットでは、韓国やオーストラリアなど8か国の首脳も招待されました。

G7声明、中国共産党に前例のない警告=専門家

 台湾大学政治学部の楊永明教授は、22日に大紀元に対し、今年のG7コミュニケの最も注目すべき点は、経済、金融、軍事、核兵器、台海海峡、南シナ海など、あらゆる面から中国共産党に対して警告を発していることだと述べました。

 楊氏は「この前代未聞の対象化は、G7全体が中国共産党に対する警戒を最高点に達していることを示している」と述べました。

 楊氏は、アメリカがG7コミュニケを基にして、北京に対して警告する世界的な世論を形成する可能性があると指摘しました。「基本的にアメリカはすでに北京を今後10年間の主な競争・対抗の相手、ひいては敵と見なしている。地政学的・経済的な観点から、中国共産党の挑戦を抑制し、アメリカ自国のサプライチェーンの安定保障や競争力を維持・強化する必要がある」

 台湾の国家政策研究基金会の副研究員である李正修氏は、22日に大紀元に対し、主催国として、岸田文雄首相は中国共産党の政治、軍事、経済上の対外的な影響もG7の重要な焦点としていると分析しました。「G7首脳が会合する前の岸田首相とバイデン大統領の会談や、岸田首相とイギリス首相の会談、さらにG7後に行われる四者会談でも、中国共産党を今後の最も重要な競争相手として扱っている」と述べました。

中国共産党の野望をめぐる見解の収束

 大紀元のコラムニストである王赫氏も22日、「今回のG7会議では、西側諸国の中国共産党に対する態度が前例のないほど統一され、前例のないほど中国共産党を強く非難している。これは過去に例を見ないものだ」と述べました。

 王赫氏はまた次のように述べました。過去にG7はアメリカの冷戦勝利に貢献しましたが、冷戦終結後、その影響力は次第に低下していました。2008年の世界金融危機でこれらの国々は大きな打撃を受け、アメリカのオバマ大統領は2009年、G7の代わりにG20を主要な世界経済フォーラムと宣言し、中国共産党が国際政治・経済の中心に進出し、国際金融権力を掌握する機会を得ました。

 しかし、「ここ3年間で、バイデン政権はG7のグローバルリーダーシップを再建し、回復に向けて動き出した。G7諸国はいくつかの重要な国際問題で統一した立場を形成しており、それは今回のG7会議でも明らかであった」と李正修氏は述べました。

 李正修氏は「我々は共通の認識を持っており、中国共産党に(現行の)国際秩序を受け入れるように導くことを望んでいる。中国共産党が国際秩序を受け入れないのであれば、各国はその破壊行為に対抗・阻止するために統一した立場を取るだろう」と述べました。

 李正修氏はまた、習近平氏は強硬な独裁者であり、彼の強硬な政策が各国を結束させ、中国共産党に対抗することを引き起こしており、これは明らかに習近平自身の外交政策の失敗だと強調しました。

(翻訳・藍彧)