中国共産党の支配下にある中国の農村では、村の幹部が不公平な行動をとるため、窮地に追い込まれた村民が幹部を殺害する事件がしばしば起こっている。公式に発表された情報によると、2023年5月以来わずか2週間にも満たない期間に、3件の村の幹部が村民に殺害された事件が発生し、合わせて18人が死亡、1人が負傷したという。
中国公式メディアの報道によると、3件の殺人事件はそれぞれ、1日に山西省定襄県、10日に山東省済南市長清区、11日に遼寧省東港市で発生した。
山西省定襄県では1日午後3時、続姓容疑者(38)は、以前に村内の土地や資金配分の紛争のために村長に陥れられ、2年の刑期を言い渡されていた。村長に陥れられたことに不満を持ち、出所後何度も村長の家に説明を求めに行ったものの、納得できる結果を貰えず、村長一家を殺害した。
山東省済南市の殺人事件は、10日に長清区のあるコミュニティで発生した。容疑者は賈強という英語教師で、死亡したのは長清区文昌街道西李村の共産党支部書記である劉継杰(りゅう・けいけつ)とその妻と息子の3人である。事件発生直後、賈容疑者も自殺した。
犯人の犯罪動機については、現在、説明が一致していない。あるネットユーザーは、賈容疑者の子供が学校で何度も劉継杰の子供にいじめられたため、身体的、精神的な障害が生じた。賈氏が何度も劉継杰に説明を求めたが、無駄だったため、殺意を抱いたと暴露した。
また、遼寧省東港市の殺人事件は、11日の午前4時に椅圈鎮(いけんちん)馬家岡村(ばかこうそん)で発生した。容疑者は64歳の金姓村民で、普段は屠殺業を営んでおり、内向的で正直な性格である。しかし、金容疑者は以前、隣人との間に土地紛争が発生したことがある。村長が仲裁したが、金容疑者は村長のやり方が不公平で、親戚(金容疑者と対立していた村民)の肩を持っていると思い、殺意を抱いた。
頻発する殺人事件について、一部の専門家は、中国には十分な社会正義と言論の自由が欠如しており、人々の挫折感が緩和されにくい。このような状況では、人々は社会に対する復讐を選択せざるを得ないと分析した。
(翻訳・吉原木子)