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琵琶曲「月児高」は明王朝の嘉靖帝(かせいてい)時代(1522年―1566年)に記された『高和江東』という琵琶曲抄本の中の一つの曲です。清王朝の嘉慶帝(かけいてい)時代(1796年―1820年)にモンゴル族の文人である栄斎が編集した『弦索備考』という本もこの曲を記録しました。李芳園(1850年―1901年)はこの曲の特徴が白居易の「霓裳羽衣の歌(げいしょう ういのうた)」という詩の中に描かれた景色と似ているのを理由に、「霓裳羽衣の曲(げいしょう ういのきょく)」に改名しました。
「月児高」は月が海から上昇し、西の山のところに隠れるまでの過程をえがいた曲です。景色の中には、広大な海と清流がともにあり、静かな中庭と広大な畑が対をなしています。透き通った夜空には星々がきらめき、流れる川があり、冷たい風と露があります。現実世界を精緻に描いているとともに、月の世界に対する美しい想像もあります。琵琶曲が描く情景は朦朧とした美しさがあり、非常に魅力的です。
国立台南芸術大学民族管弦楽団により「月児高」:
(文・黎宜明)