『三字経』の一部(看中国/Vision Times Japan)

 中国文化初学者なら、「三百千」という3冊の本がお薦めだ。

 「三」とは『三字経(さんじきょう)』のことで、『百家姓(ひゃっかせい)』、『千字文(せんじもん)』とともに、中国で児童の啓蒙書として用いられた学習書である。3文字で1句とし、歴史から、政治、文学、人としての道理に至るまでの中国文化を簡潔に紹介しており、伝統的な中国文化を学ぶのにとっておきの本だ。ちなみに日本にも中国の『三字経』にならい、日本の歴史をまとめた『本朝三字経』という書物がある。

 『百家姓(ひゃっかせい)』は中国の代表的な苗字を並べ、単姓444・複姓60の合計504の苗字を載せている本で、これを読めば、中国人の苗字がほとんど読めるようになる。

 最後に『千字文』は本のタイトルにある通り、千の異なった文字で書かれていて、全く重複してない。南朝・梁の武帝が、周興嗣という文官に罰として作らせたものである。千の異なる文字を使って文章を書くという命を受け、周興嗣は丸一日を使って完成し、白髪になっていたと言われている。これら3冊の本はすべて韻を踏んでおり、伝統的な中国の教育書として使われていた。完読すれば、中国の伝統文化に基礎的な概念を持つことができる。

(翻訳編集・北条)