中国国内で4月25日、「不動産登記制度を全面的に導入する」という話題が多くの注目を集めました。

中国当局「不動産登記制度」全面的に導入

 4月25日、中国公式メディア新華社によると、自然資源部の王光華部長は、不動産の統一登記を全面的に実現すると発表しました。

 これは、都市から農村まで、不動産から自然資源に至るまで、すべての国土とすべての不動産所有権をカバーする不動産統一登記制度が確立されたことを意味します。

 中国当局は2013年3月、不動産の登記機関を設立し、複数の部門に分散している不動産登記の責任を統合し、登記機関、登記簿、登記根拠、情報プラットフォームの「四つの統一」を実現することを提案しました。

 中国の国営テレビ局CCTVニュースによると、過去10年間に全国で7億9000万以上の不動産権証書が発行されました。土地、建物などの不動産は、最も一般的で価値がある資産であり、不動産の統一登記を通じて、所有権を明確化し、企業や市民の権益を保護することができるといいます。

 中国のメディア関係者である黄氏は大紀元に対し、不動産の統一登記は不動産税のための下準備であると述べました。政府はお金がなくなっており、すべての国民が所有している不動産を数え上げ、標準を超える場合には不動産税や相続税を徴収する必要があるとされます。

 中国作家である王氏も、中国共産党が財政の危機を解決するため、巧妙に名目を立てて、さまざまな方法で税金を徴収して危機を解決しようとしているが、国民をより苦しめていると述べました。

 ネットユーザーからも、中国当局のこの動きが不動産税導入の下準備であると疑問を呈するコメントが殺到しています。
「不動産権の統一登記制度が完成すると、不動産税の徴収基盤が整備されたことを意味する」
「不動産税が実施されれば、物件の価格がすぐに暴落し、投げ売りが発生するだろう」

 しかし、不動産税の徴収は大きな障害があると考えるネットユーザーもいます。
「ほとんどの物件が権力者の手にあるので、不動産税を徴収するには、大きな障害があるだろう」
「実力のある人のほとんどは物件の所有権を他人に持たしているので、不動産税を恐れていない」

 マイホームを持たずに賃貸生活をしている人たちは、家賃の上昇を心配しています。
「嵐が大きければ大きいほど、魚も高価になる。最後には不動産税は賃貸者全員の頭に降りかかるだろう」
「不動産税を徴収するなら、家のない人たちは家賃が上がるので、プレッシャーが増す。より結婚も子供を持つこともできなくなる。まずは自分自身を守ることが大切だ。子供を持つことは、経済的に余裕のある人に任せるしかない」

中国共産党幹部の財産公開は可能か?

 中国当局が不動産登記を推進する過程で、国民の関心は「不動産登記が不動産価格に影響を与えるかどうか」、「不動産税を徴収する下準備であるかどうか」、「不動産情報がネット上で透明化された後、誰がアクセスできるか」の三つの問題に集中しています。

 一部のネットユーザーは、不動産登記制度が中国共産党幹部の腐敗を暴き、汚職防止に役立つと考えています。

 しかし、王氏は、中国共産党幹部が特権階級であり、彼らの財産は国家機密であるとし、不動産税が一般国民を対象として課せられるものであると指摘しました。「これは主に庶民からお金を搾り取るための巧妙な名目だ。不動産登記は主に不動産税や土地税を徴収するためであり、これによって経済発展がより抑制される。税金が重くなればなるほど、経済が発展できず、財政的な収入源もなく、悪循環に陥る」

 一方、黄氏は、中国共産党幹部のほとんどの財産は不動産に関連しているため、不動産の統一登記が彼らの一部の財産を公開することになると考えています。政府がお金がなければ、汚職幹部の余剰の不動産に対して税金を課すことになります。しかし、これらの幹部は自分名義の不動産を大量売却し、不動産価格の下落を引き起こす可能性があります。

国民は役人の不動産情報をチェックできず

 不動産情報のネットワーク化後、誰が検索できるかは、汚職者の資産が本当に公開されているかどうかに直接関係しています。

 中国の「物権法」によると、情報アクセス可能な人は権利者および利害関係者に限定されます。これには、不動産所有者や所有者と取引関係にある人などが含まれます。つまり、情報は全社会に公開されるわけではなく、限られた人々にしか公開されません。

 さらに、2015年に施行された「不動産登記暫定条例」では、不動産情報の漏洩について厳しい規定が定められています。つまり、これらの統一された不動産情報は、一般市民にアクセスされることはないということです。

(翻訳・藍彧)