中国メディアの報道によると、江蘇省常熟市はこのほど、公務員の給与全額をデジタル人民元で支給することを正式に通知したという。別の報道によると、同省の蘇州市相城区、太倉市では2022年7月から、給与はすでにデジタル人民元で支給されているという。
米国在住のジャーナリストである江峰氏は「デジタル人民元の背後には中国共産党(以下、中共)の隠したい目的がある。簡単に言えば、デジタル人民元の使用は中共の統治を強化するのに役立つ。具体的に言えば、中共はデジタル人民元を用いて、3つの目的を達成しようとしている」と述べた。
「まず、デジタル人民元が発行されれば、旧紙幣は全面廃止になるはずだ。これによって、中共の汚職官僚たちが贈収賄で得た多額の現金を使用できなくなる。これらの現金の額は、少なくとも40兆元(約771兆円)に上ると推定されている。また、デジタル通貨を利用して個人の所得税を逆算することで、巨額の収入を得ることもできる。これにより、地方の財政危機を解決し、中共政権の破綻を防ぐために重要な役割を果たすことができる」
「次に、習近平の最新の演説によると、中国は内循環に向かい、外貿に依存しない方向に進むことになっているという。中国経済は計画経済に戻ることが明らかになっている。そのため、政府は中国のすべての生産資源と生活資源の配分権を厳密に掌握する必要がある。貨幣のデジタル化により、すべての人々の富は政府によって厳密に管理されることになる」
「また、デジタル人民元によって人々の富、個人の情報、社会活動、そして政治的思想まで厳密にコントロールすることができる。人民元をデジタル化すれば、兵役を避ける人々の貯金を瞬時にゼロにし、逃亡することも、食事すら支払えるお金がなくなることさえあり得る。これは東南沿海の各省が最初にデジタル人民元の試行を行う重要な理由でもある」
デジタル人民元は直接的に人々の基本的な生存権を侵害し、中共政府が初めて一般国民と直接対決することになる。地方政府や中央政府の下位官僚も直接的な被害者になる。この状況によって、中共政権は破滅の道に向かわせるだろう。
(翻訳・吉原木子)