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 ある日、友人から「甲状腺がんの症状が現れた。」との知らせがあった。どのステージかは分からないそうだが、ガン指数が非常に高いとのこと。これを聞いた私は彼に「おめでとう」と言った。すると、彼は「なぜ僕がガンになったことがめでたいの?」と聞いてきたので、私は「人生にはそもそも、いろいろな試練があるものだ。人はトラブルを乗り越えることで、初めて成長できることもあるからね。」と答えた。

 若年でガンになった人も多くいるが、ガンになったおかげで、人生の真実を認識した話もよく聞く。そう考えると、ガンになることは悪いことではなく、逆に良いことでもあるのではないかと思ったのだ。

 そして、私は常に微笑みを絶やさなかった。彼は「なぜ僕がガンになったことを知っていながら笑えるのだ?」と尋ねてきたので、私はこう答えた。「おめでとうと言ったからだよ!おめでとうって言うときは笑うものでしょう!全ての人があなたに「悲しまないで、悲しんではいけない」と言ったら、あなたは本当に彼らに言われたとおりにするだろうか?無理でしょう。恐らくあなたは自分に鞭を打ち「悲しんではいけない、元気なふりをしなければ」、こういう理念で自分を誤魔化すだろう。だから私はあなたにおめでとうと言うよ。この機会に体験し、人生を感じてほしいのだ。もちろん病院に行くことも大事だし、食事と睡眠もちゃんと取るべきだよ。」

 その後しばらくして、彼は次のことを私に教えてくれた。「ガンになってからというもの、家族がご飯を持って来てくれる時、皆悲しい顔をしていて全く楽しそうではなかった。そんな顔を見ると、自分も楽しくないし、どうすれば良いか分からず、毎日ため息をつくことしかできなかった。同僚がお見舞いに来てくれた時も、みんなが私を心配してくれていることが、逆に落ちこんでしまう原因になったりもした。結局、何かあっても誰にも言えなくなってしまった。」

 彼は、私がずっと笑っていて、どんなことがあっても平気な様子から、人はなぜ幸せを感じるのかを学んだと言う。

 ある日、彼の実家へお見舞いに行った時、彼は不在だったので、彼の家族に状況を尋ねた。すると、彼の家族は「あなたと会ってからよく笑うようになりました。あなたの家から帰って来た時の嬉しそうな顔を見ると、本当にあなたに感謝せずにはいられません。」と言った。私は特別何かしたというわけではない。ただ彼に「ガンになって、おめでとう」と言って微笑んだだけだ。

(文・章銘月/翻訳・謝 如初)