CA(キャビンアテンダント・客室乗務員)の制服は、航空会社によってそれぞれ特徴がありますが、共通しているのは、首に様々な色のスカーフを巻いていることです。なぜCAはスカーフを巻いているのでしょうか?機内が寒いからでしょうか?
実は、あのスカーフは美観のためだけでなく、いざという時に命を救ってくれるものなのです。
では、なぜCAがいつもスカーフを首に巻いているのか?主な理由は次の3つです。
1、見た目が良くなる
というのは、CAの制服には襟がないものが多く、首元に装飾がないと、視覚的に少し唐突な印象になってしまうからです。そこでスカーフを首に巻くことで、全体のコーディネートが調和して美しく見えるだけでなく、乗客に視覚的な美しさを感じさせるので、イメージアップにつながります。
2、メイクをカバーできる
CAにはメイクが必須ですが、完璧にメイクしても顔と首の地肌の色にどうしても微妙な違いがでるので、スカーフを結んで色の違いを隠すことができます。また、明るい色のスカーフは、元気な印象を与えることもできます。
3、緊急時に使用する
スカーフの最も重要な機能は、緊急時、包帯として使えることです。飛行中に乗客が怪我をした場合、あるいは出血などの事故が起きた場合、スカーフは緊急時の包帯として代用することができます。止血や包帯として使えるだけでなく、必要に応じて臨時のマスクとしても使用することができます。
CAのスカーフのほか、普段乗る飛行機について、「パイロットはヒゲを生やしていない」「いつも飛行機の客室は、なんとなく寒く感じる」「飛行機の窓が小さく丸い」など、気になるが、乗客には理由がよく分からない事がたくさんあります。ここでは、これらの豆知識を簡単に紹介しましょう!
1、なぜパイロットはヒゲを生やしてはいけないのか?
航空会社は各々、飛行の安全に対して非常に厳しいルールを定めています。例えば、パイロットがヒゲを生やすことを禁じている航空会社もあります。これは、緊急時に酸素マスクを顔に密着させる必要があり、パイロットにあごにヒゲが生えていると、酸素マスクの機能が十分に発揮できない可能性があるからです。清潔感のことはもちろん、安全に対する配慮がここまで細かくなされているのです。
2、なぜ、乗客が機内に持ち込める液体物に制限があるのか?
日本の国内線では、液体物の持ち込み制限はそれほど厳しくありませんが、国際線になるとかなり厳しい制限があります。一般的に、機内に持ち込める個々の液体物は100ml以下の容器に入れて、乗客一人が機内に持ち込める液体物の総量は1リットル以下、さらにそれらはジッパー付き無色透明のプラスチック袋にまとめて入れなければなりません。この基準を超過する液体物の機内への持ち込みは禁止されています。
このルールの理由は「テロ防止対策」です。2002年に乗客が機内の可燃性液体に火をつけて飛行機を墜落させた事件や、2003年に可燃性液体で飛行機をハイジャックした事件など、液体物による航空事故が発生しました。それ以来、航空局は徐々に液体物の持ち込み制限を強化するようになりました。また、2006年にイギリスで発生した、機内に持ち込んだ液体物を使って飛行機を爆破させる計画を企てた、航空機爆破テロ未遂事件をきっかけに、2007年から全世界の国際線で「液体物持ち込み制限」のルールが定められました。
3、なぜ、飛行機の客室内はいつも寒く感じるのか?
実は、これは客室内の温度が高くなると、空気が膨張し、それによって空気中の酸素が薄くなり、乗客が意識を失う恐れがあるからです。そのため、客室内は常に涼しい状態に保つ必要があり、人によってはちょっと寒く感じるかもしれません。
4、なぜ、飛行機の窓「舷窓」は丸い形なのか?
初期の頃、飛行機の窓も長方形でしたが、その後、航空機が高い高度で飛行するようになると、高い高度で飛行しても、乗客が地上と同じ圧力を感じられるように、機内を加圧する必要が出てきました。機内と外に大きな圧力差が生まれ、その圧力は通常、鋭い角がある場所に集中します。
1954年に起きた2つの飛行機の分解事故の両方共、調査後、機体の亀裂が四角い窓の角から始まっていたことが判明しました。その後、設計者は舷窓を楕円形のものに変更しました。丸い舷窓にかかる圧力は均等に分散されるので、一つの点から崩れる可能性はほとんどありません。
以上、飛行機にまつわる「なぜ」をまとめてみました。この記事を読んで、飛行機を乗る時の疑問は解消されて、航空業界についてもっと理解できるようになったでしょうか?次の搭乗が楽しみですね!
(翻訳・玉竹)