中国の精神科病院は過去20年ほどの間、中国共産党が反体制派を迫害するための手段の一つであることが、多くの情報源から明らかにされました。一人の若者が強制的に精神病院に送られ、遭遇した体験を語る動画が4月3日、ツイッターで拡散されました。その中の暗黒と残虐さ、そして中国共産党幹部が法律を踏みにじる行為が再び人々の認識の限界を破りました。
ツイッターアカウント「@zhihui999」は、動画の中の若者が、ウィーチャットで反政府的な発言をしたために警察に捕まり、精神病院に送られたというメッセージとともに動画を投稿しました。その後、彼の両親が巨額の金を使って関係者に頼んで、ようやく息子を救い出しました。
動画に映っているこの若者の名前はMaderで、22歳、河北省唐山市の出身で、広東省佛山市で育ち、高校2年生で中退しました。
Maderさんは動画の中で次のように語りました。「中国の精神病院には、治療がなくて、患者さんが暴行されたり、強制的に薬を飲ませたりなど、多くの問題が存在している。一度に数十錠もの薬を飲ませることもある」「人をベッドに縛り付け、排泄物をベッドに漏らしても無視される。逆らうと電気ショックを与えられる。記憶をなくすまで電気ショックを与えられる人もいる。病院側が高電圧放射線治療 (MVCT)を行えば、記憶を失い、昨日のことは忘れるのだ」
精神病院で最も一般的に行っている迫害は、薬物による迫害です。
薬物の迫害について、Maderさんは次のように述べました。「飲ませる薬はオランザピンという統合失調症を治療する薬物で、ほとんどの人が飲まされている。昼と夜には大粒の睡眠薬も飲まされている。それを飲むと感情的な反応がなくなる。他人に殴られても感情的な反応がない。飲んでいないことがバレたら、2~3錠から20~30錠に増やされ、無理やり口に押し込まれるのだ」
「飲んだかどうかをどうやって確認されるかというと、時には口を見せろと言われる。時には、こんなに太くて長い管で、一度に3~5本の血を毎日抜かれる。血液の中に薬の成分がなければ、飲む量を20~30錠までに増やされて無理やり口に押し込められる」
ほとんどの人はこれらの薬を飲むことを嫌がっているので、看護スタッフの警戒心を解かせるために、飲んだようにごまかして、あとで吐き出していると、Maderさんが述べました。
「私の対処法は少し変わっている。同じ病室の人たちは薬を喉に含んで、看護師が去った後、薬を吐き出して捨てている。私はいつも『捨てないで、私にちょうだい』と薬をもらっている。私は一度に数十錠飲んで、大量服用の方法で抵抗力を高めようとしていたのだ。その薬を飲むと勃起不全(ぼっきふぜん)になるという人が多く、私もその薬によって害を受けたくなかった。しかし、病院側の言うことを信じず、中にいる患者さんの実際の姿を信じる。また、その薬を飲むと記憶力が大幅に低下すると言われたが、自分の記憶力は元々悪いから、どうでもいいと思った。それで、私は大量にその薬を飲み終わった後、顔はまったく無表情になった。もちろん、それは演技だった。そして、退院できた」
この精神病院には反体制派や人権活動家が収監されているだけでなく、財産紛争のために親族から送り込まれた人たちも多くいます。精神病院の入院証明書があれば、その人には訴訟能力がないことになるので、財産を相続する権利を失うことになります。
中には、家族との紛争のため、10年以上入院している人もいます。Maderさんはそのような人に、電話番号を教えてくれたら、家族に連絡してあげると言ったが、「無駄だよ」と言われたそうです。
動画を投稿した「@zhihui999」は、もしMaderさんが自身の体験を語らなければ、中国がこれほど暗い国だとは信じられなかっただろうと述べました。「以前、ある小説で正常な人が精神病院に送られる悲惨な結末が描かれていて、それが小説だけだと思っていたけれど、今ではそれが中国で実際に起こっていることだと実感している!」
(翻訳・藍彧)