香港紙「星島日報(せいとうにっぽう)」は3日、羅志軍(ら・しぐん)元江蘇省党委員会書記と張鴻星(ちょう・こうせい)重慶市常務委員がいずれも1日に自殺したと報じた。
重慶市当局は2日朝、「中国共産党重慶市委員会常務委員、両江新区党工委書記の張鴻星同志が治療の効果がないため、2023年4月1日17時34分に死去した。享年55歳だった」と発表した。
同日夜、江苏省当局は、「2023年4月1日、中国共産党第13期全国政治協商会議常務委員、農業・農村委員会主任、中国共産党江蘇省委員会元書記、省人大常務委員会元主任の羅志軍が病気のため、北京で死去した。享年72歳だった」と発表した。
「星島日報」は消息筋を引用して、官員が普通に亡くなった場合は「逝去」、普通でない場合は「死去」と表現すると報じた。情報筋によると、2人ともうつ病で飛び降り自殺したという。
過去数年、多くの中国高官が自殺した。公式が発表した訃報は「不幸な死」という表現を用いた。
張鴻星の突然の死が世間を騒がせた。中国メディアによると、張鴻星は3月23日、重慶能源集団の宋葵(そう・き)董事長らと面会したという。公開された報道写真には、当時、張鴻星は顔色も振る舞いも全く変わった様子がなかった。
公開された資料によると、張鴻星は30年以上江西省で勤務し、江西省副省長、省政法委員会書記などを歴任した後、2022年5月に重慶で勤務することになった。ここ数年、江西省で張鴻星と共に働いていた複数の高官が経済犯罪で逮捕されたという。
公開された資料によると、羅志軍は1951年11月に生まれ、父親の羅文(ら・ぶん)は中国共産党陸軍少将であった。羅志軍は2001年に南京市長、2003年に南京市委員会書記、2008年に江蘇省長に就任し、2010年に江蘇省委員会書記に昇進したという。この間、この地域の法輪功学習者は残酷な迫害を受け、610弁公室(法輪功を弾圧するため創設された迫害機関)が南京女子刑務所に入り、各種の拷問を用いて法輪功学習者に信仰をやめさせた。
法輪功迫害追跡調査国際組織(WOIPFG)の代表者である汪志遠(おう・しえん)氏は、「羅志軍は江沢民集団の中心人物の一人で、江沢民と周永康(しゅう・えいこう)を支持し、法輪功を残忍に迫害して出世した」と述べた。
また、情報筋によると、周永康、薄熙来(はく・きらい)集団は習近平総書記に対するクーデターを計画していた。羅志軍はクーデター成功後に、新政府の公安部長に指名される予定だったという。
(翻訳・吉原木子)