英紙「フィナンシャル・タイムズ」は2日、3年の「ゼロ・コロナ」政策を経験した中国の雇用市場は非常に厳しく、45歳以上の労働者が北京でフルタイムの仕事を見つけるチャンスがゼロだと報じた。

 河南省出身の54歳の李さんによると、彼は午後5時30分から、同世代の数百人とともに、レンガ積みや部品の組み立てなどの日雇い労働者を多く募集している北京郊外の馬駒橋に仕事を探しに行った。なぜなら、フルタイムの仕事はすべて若い求職者に流れてしまい、アルバイトしかできないからだという。

 李さんが馬駒橋で見つけたのは小包を仕分ける仕事で、10時間の給料は250元(約4800円)で、北京の最低賃金よりも安い。

 また、馬駒橋で仕事を探している55歳の王さんは、「お金を払ってくれる人のために働く」と述べた。王さんは先週レンガ積みの仕事を得たが、日給はわずか300元(約5800円)しかなかった。

 馬駒橋の労働仲介業者は、「30代の多くの労働者は仕事を早く完成でき、コストも高くないのに、なぜ50代の人を雇うのか」とし、「現在、45歳以上の低技能職種に従事する労働者がフルタイムの仕事に就けるチャンスはゼロだ」と述べた。

 中国公式データによると、50歳を過ぎた農民工(農村部からの出稼ぎ労働者)の数は10年間で2倍以上に増え、2021年までに8000万人に達したのに対し、その他の年齢層の労働者は16%減少したという。

 大都市で数十年働いた後、多くの出稼ぎ労働者は毎月200元未満の年金しか受け取れない。61歳の王さんは、「家族の負担になりたくないので、死ぬまで働く」と述べた。

(翻訳・吉原木子)