清明節(せいめいせつ)期間中、中国では大勢の家庭はお墓参りするが、広東省広州市が先祖祭の帰省の足を引っ張っている。同市の民政局が導入した「お墓参り予約」のシステムに、先祖の氏名を入力すると、「氏名に敏感字があってはならない」とのヒントが出てきて先に進めないことに、市民たちが落胆している。
清明節は、元来の中国の先祖祭の日で、春分の日から15日目にあたる節日。中国各地の風習によって、旧暦正月15日から清明節当日まで、家中こぞって先祖の墓参りに出かける。今年の清明節は4月5日。
帰省ラッシュをコントロールするためか、広州市民政局は「お墓参り予約システム」を導入し、市民に「先祖の氏名」「自動車ナンバープレート」「お墓参りの予定時間」などの情報を入力してもらう。しかし、先祖の氏名を入力すると、「氏名に敏感字があってはならない」とのヒントが出てきて、先に進めないという市民は落胆し、「正気なのか」とSNSでコメントした。
中国共産党当局が敏感に反応する言葉は「敏感字」または「敏感詞」と呼ばれる。この言論統制と検閲の厳しさとでたらめさは世界中に知れ渡っているが、まさか市民の先祖の氏名すら検閲対象。この件に対して、中国のネットユーザーから「先祖様のお名前を改めないといけないのか」と、憤りが殺到している。
(翻訳・常夏)