シリコンバレーバンクの破綻は、米国の金融界だけでなく、中国の多くの企業にも強いダメージを与えた。
多くの中国企業はシリコンバレーバンクに複数の口座を持っている。なぜなら、シリコンバレーバンクは中国人が、米ドルでの預金や取引に使える唯一の米国銀行だからだ。情報筋によると、中国では3000社ものベンチャー企業がシリコンバレーバンクと関係しているという。
米連邦預金保険公社(FDIC)は10日、シリコンバレーバンクの破綻を宣告し、同銀行がFDICの管理下に入ることを発表した。数時間後、複数の中国企業の経営者は、急いでお金を引き出そうとしたが、失敗した。
米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は16日、シリコンバレーバンクがFDICに入った後、中国業務の責任者である陳青氏が解雇されたと、関係者の情報を引用して報じた。
シリコンバレーバンクは地域銀行と位置づけられていたが、国際業務は非常に発達していた。2022年末までに8500人を超える行員のうち、5分の1が外国にいる。また、139億ドル(約1.9兆円)の外国預金があり、これらの預金は連邦や州の保険規則を受けない。
英紙『フィナンシャル・タイムズ』は業界関係者の話を引用して、シリコンバレーバンクは米中間の資金の流れをつなぐ紐帯であり、米国のベンチャー企業は資金を中国に送る前に、先に資金をシリコンバレーバンクに預けるのは一般的だったと報じた。
台湾の経済学者である呉嘉隆氏は希望之声とのインタビューで、多くの中国共産党幹部がシリコンバレーバンクを通じて、資金洗浄していた。シリコンバレーバンクの破綻は米中間の金融分野のデカップリングの一部と考えられると述べた。
(翻訳・吉原木子)