(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 中国広西チワン族自治区のある産婦人科はこのほど、双子を妊娠している妊婦の超音波検査の結果を1人の胎児に変えて、片方を売ったという噂がネット上で流れました。

「胎児まで逃さず!」犯人はわずか6年の懲役に

 ツイッターアカウント「真相伝媒備用号」は3月6日、「胎児はまだ母親の胎内にいるうちに病院に売られた。中国人の子供は中国共産党にとって人鉱(人間ではなく資源として見られている人)だよ。このような産婦人科の犯罪グループは処罰され、病院の背後にいる悪魔を根こそぎ掘り起こされなければならない!」とツイートした。

 動画の中で女性は、「広西チワン族自治区のある産婦人科で、ある妊婦が検査に行ったところ、病院側が『片方の胎児が事前に予約され、保証金も貰ったし、売られた』という理由で、本当は双子を妊娠していた女性の超音波検査の結果を『胎児1人に変更した』というニュースを見て激怒した」と語っています。

 「何ってことだ!これは人間がやることか?これは悪魔ではないか?まだ生まれていない胎児が病院側の人らに予約され、売られていた。これは1人でできることか?これは人間ができることか?外来から超音波検査まで、超音波検査室の看護婦も、医者も1人ではないんだよね!これはグループ犯罪のようだ!」

 この女性は、犯人が懲役6年の判決だったことに対して、「刑が軽すぎるのではないか?中国の法律はこのような犯罪者に甘い気がする!」と述べました。

 これに対し、あるネットユーザーは「6年の判決でしかなかったのは、彼ら(裁判側)も共犯者だからだ。政府の支持がなければ、生体臓器収奪の商売もこれほどまで横行することはできないだろう」、「邪悪な政府は変態社会を作ることが目的だ。中国共産党を消滅させることが唯一の道だ。中国共産党という悪魔を打倒せよ!」

上海の仁済病院、新生児ドナーの腎臓移植22例を成功させた

 病院から売られた上記の新生児がどうなったかは不明だが、以下のニュースを見れば、売られた赤ちゃんの運命を心配する人も多いのではないでしょうか。

澎湃ニュースの報道と上海仁済病院の臓器移植の論文

 中国のウェブメディア「澎湃ニュース」2月27日の報道によると、上海交通大学医学院付属の仁済病院は近年、上海児童医学センターと共同で腎臓移植ドナーの低年齢・低体重の限界に挑戦し続け、超低体重(1.2kg未満)の2例を含む未熟児ドナーの腎臓移植手術を成功させました。

 2021年8月、仁済病院腎臓移植チームは、妊娠29週で先天性心疾患で死亡した未熟児女児の腎臓を入手し、尿毒症にかかった34歳女性への移植に成功しました。2022年1月、妊娠29週5日で生まれた未熟児女児が重度の低酸素脳症で亡くなり、その両腎が末期腎臓病の25歳女性に提供されました。2人のドナー女児の体重はそれぞれ1.07kgと1.17kgでした。仁済病院は、これはこれまで世界で報告されたドナー腎臓移植の成功例の中で、最も低い体重のドナー腎臓移植であると明らかにしました。これまで、「仁済病院は(夭逝した)新生児からの腎臓移植を22例成功させていた」といいます。

学者の推測「胎児がまだ母親の胎内にいる間に医者に狙われている」

 上海仁済病院のこの2例の手術について、米アリゾナ大学外科のザイン・ハルペイ(Zain Khalpey)准教授は3月4日、臓器移植には通常、患者のクロスマッチに1週間から14週間かかる必要があると大紀元時報に伝えました。

 ハルペイ氏は「ドナーとレシピエントが一致しているかどうかを確認するには、一連のテストを行う必要がある。これらのテストには、血液や組織のタイピングだけでなく、特に腎臓の適合性を確認するためのクロスマッチングが必要である」と述べました。

 ハルペイ氏はまた、「(移植前のマッチング)ステップを完了するのにかかる時間の長さは、臓器の可用性、テストの複雑さ、緊急性など、さまざまな要因に左右される。そのため、一般的には、新生児の腎臓を移植用に適合させるプロセスには、数週間から数ヶ月かかる場合がある」と述べました。

 医師たちは、赤ちゃんがまだ母親の胎内にいるときから狙いを定め、羊水を採取することでマッチングを完了させたのではないかと、ハルペイ氏が推測しています。

 仁済病院の移植チームがすでに22例の新生児の腎臓移植手術に成功したこと対し、ハルペイ氏は「新生児を臓器製造のための機械として使っているのではないかという疑念を抱かせる」と懸念して述べました。

 ハルペイ氏はさらに、「赤ちゃんや新生児の腎臓を移植すれば、(レシピエントの体内で)何年も持つことになる。そのため、新生児の腎臓に拒絶反応を起こす抗体の数が少ないので、(中国の医師にとって)それこそが新生児の臓器を使う魅力なのだ」と述べました。

(翻訳・藍彧)