雄安新区の宣伝スローガン(颜邯, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons)

 習近平総書記が画定した河北省雄安新区は、中国共産党(以下、中共)の「千年の大計(千年にわたる大きな計画)」と高く評価されている。着工からこれまでに4900億元(約9兆円)以上が費やされたが、工事が止まったまま放置されたプロジェクトが多くあると伝えられている。現在、中国農業銀行は雄安新区で「連心貸(れんしんたい)」というローンを導入した。

 中国農業銀行はこのほど、雄安の住宅購入者を対象に、主に未婚の男女を共同返済者とするローン「連心貸」を導入した。これはすぐに話題となり、人々は「未婚男女の関係をどういう基準で判断するか」、「心が繋がっていなければ、後で別れたらどうする」と懸念している。

 中国メディア「第一財経」が22日、中国農業銀行の顧客サービスセンターに問い合わせたところ、「連心貸」は確かに存在するが、男女双方が未婚の声明書と恋人関系の声明書を提出する必要があると明らかにした。

 上海易居(いきょ)不動産研究院の厳躍進(げん・やくしん)総監督によると、未婚の男女が共同返済するのは、現実的には実現しにくいのだ。もし、双方が別れたら、返済に問題が生じるという。

 実は、中国政府が「千年の大計」と宣伝している雄安新区の経済発展は既に行き詰まっている。
中国で出回っている動画によると、アジア最大と言われる雄安駅の広場には草が生い茂り、人影が見えないという。公開資料によると、雄安駅には13のプラットホームがあり、延べ床面積は約48万平方メートルで、北京駅より6倍広いという。

 中共当局は2017年4月1日に、河北省に雄安新区を建設すると発表した。当時、政府はここに未来の都市を作ると宣伝した。現在、雄安新区は発展の兆しを見せていないばかりか、頻繁に不況が伝えられている。

(翻訳・吉原木子)