スマートフォンは、高機能化に伴い、私たちの生活に欠かせないものになりました。少しでも手が空くと、多くの人が無意識に「スマホをチェックしたい!」という衝動に駆られてしまいます。皆さんは、こうして毎日スマホいじりに多くの時間を費やしていませんか?
最新の研究によると、スマホへの依存はストレスホルモンのコルチゾールを上昇させ、寿命を縮めている可能性があるそうです。
通常、朝6~8時頃、コルチゾールが最も多く分泌され、私たちの体の目覚めを助け、難しいことやストレスに対処しています。この時、体全体にエネルギーが溢れるように感じられます。一方、夜になると、コルチゾールの分泌が減少し、メラトニンと成長ホルモンが増加し、体がリラックスし、睡眠への導入を促進します。コルチゾールの分泌量には「概日リズム」と呼ばれるサイクルがあり、正常な時間帯の適正量のコルチゾールの分泌は体に必須で無害です。
しかし、スマホを頻繁に使用すると、体のコルチゾールの分泌が途絶えなくなるそうです。コルチゾールが多すぎると、暴食、睡眠不足、消化器系の異常、高血圧、不安を感じる、情緒異常などの問題が発生しやすくなり免疫系や全身に影響を与える可能性があります。人の感じるストレス、焦り、不機嫌は全てコルチゾールの上昇に起因するのです。
また、スマホの使用時の頭を傾けた姿勢を長時間続けることよる、頚椎付近の神経の圧迫に起因する様々な症状も報告されています。
これらの悪影響が積み重なると、寿命が縮んでしまう恐れすらあります!
では、ついついスマホをいじってしまう悪い習慣を改め、スマホによる健康への被害を最小限に抑えるには、どうすればよいでしょうか?次の具体的な7つのヒントをご覧下さい。
1.アプリを使用して、スマホの使用頻度と、どのアプリが最も多くの時間を占めているかを確認しましょう。
2.最も重要なアプリの通知を除く、すべての通知をオフにしましょう。こうして、スマホを見る時間をコントロールできるようになります。1日の特定の時間に通知をオフにするのもいいでしょう。
3.スマホのメールの「データの取得方法」を「プッシュ」から「手動」にしましょう。こうすることで、メールが届き次第通知が来るのではなく、メールアプリを開いてから初めてメールが更新されるようになります。また、この方法では、スマホのバッテリー駆動時間を長く保つこともできます。
4.少し時間を掛けて、ソーシャルコネクションを整理しましょう。公式アカウントやファンページなどのSNSのフォローを見直しましょう。見なくてもいいページのフォローを解除することで、SNSで大量の時間を費やすことが避けられるのでしょう。
5.部屋に「端末フリーゾーン」を作ってみましょう。例えば、台所のテーブルや寝室などで、スマホやタブレットなどの端末を一切置かないようにしましょう。見なければ心も休まるので、スマホ依存症の軽減が期待できます。
6.「端末フリータイム」を設定するのもいいでしょう。寝る前にスマホを枕元に置かないようにしましょう。そして起きたらすぐにスマホを手にするのではなく、短い瞑想、軽めの運動、または豊かな朝食で、新しい1日を始めましょう。
7.日中の電話応対の頻度に注意し、脳に大量のメッセージを送りこまないように心掛けましょう。できればスキマ時間を作って深呼吸を行い、脳を休憩させましょう。
以上、スマホ依存症を改善するための7つのヒントをご紹介しました。スマホの設定の中にも、iPhoneユーザーは「スクリーンタイム」、Androidユーザーは「Digital Wellbeing」などのスマホ依存症対策の機能が存在します(註)。スマホを正しく使用して、ご自身の健康を守っていただければ何よりです。
註:
◎「スクリーンタイム」の使い方
「設定」→「スクリーンタイム」→「スクリーンタイムをオンにする」→「続ける」→「これは自分用の [デバイス] です」と選択すると、スマホの利用状況を確認できるようになります。
続いて、
「設定」→「スクリーンタイム」→グラフ下「すべてのアクティビティを確認する」と選択すると、利用状況を細かく確認できます。
使いすぎだなと感じたAppに「制限」をかけるには、
「設定」→「スクリーンタイム」→「App使用時間の制限」から設定すればOKです。
◎「Digital Wellbeing」の使い方
「設定」→「Digital Wellbeingと保護者による使用制限」で各アプリの使用状況を円グラフで確認できます。
更に下部の「ダッシュボード」から、アプリごとの詳しい使用状況の確認や使用時間の制限の設定や通知の設定ができます。
(翻訳・宴楽)