多くの工場は人員削減がすっかり常態化になった。(ネット写真)

 中国の多くの貿易企業はこのほど、注文を受けられず、倒産寸前に追い込まれ、外資もどんどん撤退している。中国社会科学院の研究によると、今年中国の対外貿易の輸出は減少する見込みだという。

 浙江省で外国貿易を行っている劉さんは、ラジオ・フリー・アジアとのインタビューで、「今年初めから、ほとんど注文が受けられず、輸出商品が明らかに減少し、不況が現れている。上海港も北侖港も今はとても寂れている。上海港の貿易量は今年、シンガポールに抜かれるかもしれない。対米貿易はもう第三位に落ち、アメリカからの注文は全く来ない。外部制裁だけでなく、内部的な要因も大きい」と述べた。

 対外貿易輸出企業の責任者である呂さんは、ラジオ・フリー・アジアに対し、中国の環境は外資系企業に適しておらず、外資が撤退するのは当然のことだ。ヨーロッパからの注文の移転につれて、民間企業は借金を返済できず、政府も経済を回復させることができないと述べた。

 多くの民間企業の創業者は、「私の身の回りのアパレル業界で言えば、もういっぱい倒れた。多くの工場は人員削減がすっかり常態化になった」、「注文が来ない。工場を維持するため、機械を売るしかない。自分が作った工場はもう潰れてしまいそうだ」とコメントした。

 中国社会科学院の研究報告では、今年、輸出貿易は中国経済成長に対するけん引作用がマイナスに転じる可能性があることを認めた。公開されたデータによると、近年、中国の輸出入総額がGDP(国内総生産)の2~3割以上を占めているという。

 一部の専門家は、中国経済が下押し局面にあり、内需が低迷している。国民の消費が減退すれば、外国商品の需要も減るので、輸出だけでなく、輸入も落ち込むことになると分析した。

(翻訳・吉原木子)