中国海警船番号5205号が6日に、中国との係争海域となっている南シナ海南沙諸島のアユンギン礁付近で、補給任務を行う船舶に向けて、軍事級のレーザーを2回照射したため、一部の乗組員が一時的に失明した。(ツイッター動画のスクリーンショット)

 フィリピン沿岸警備隊は13日、中国海警総隊の艦艇が係争海域となっている南シナ海で、フィリピンの巡視船に対して「軍事級のレーザー」を照射して妨害した。乗組員が一時的に視力を失ったと発表した。

 フィリピン沿岸警備隊は13日の声明で、中国海警船番号5205号が6日に、中国との係争海域となっている南シナ海南沙諸島のアユンギン礁付近で、補給任務を行う船舶に向けて、軍事級のレーザーを2回照射したため、一部の乗組員が一時的に失明した。当時、船舶はアユンギン礁からおよそ7.4キロ離れていて、中国海警に進路の変更を求められたと明らかにした。

 これに対し、中国外務省は13日、フィリピンの船舶が「中国側の許可を得ずに、アユンギン礁の海域に入った」と非難した。一方、フィリピン側は声明の中で、中国はフィリピンの主権を侵害したと非難した。

 フィリピンの領土・領海は中国の脅威に長期的に直面しているが、フィリピン当局は安全面でアメリカや日本に傾いている。

 フェルディナンド・マルコス・フィリピン共和国大統領は先週、日本を訪れ、岸田文雄首相と面会した。両首脳は、「フィリピンにおける自衛隊の人道支援・災害救援活動に関するTOR」の署名を歓迎し、両国の共同訓練等を強化・円滑にするための更なる枠組みを含む方途の検討を継続していくことで合意した。

(翻訳・吉原木子)