チンゲン菜(Pixabay License)

 野菜を育てることが好きな方は多いと思いますが、庭や畑がないためにあきらめている方もいるようです。自宅のベランダで野菜を育てることができれば、至近距離で野菜の成長を見る楽しみがあるだけでなく、新鮮で美味しい野菜を収穫することができて、一石二鳥と言えます。

 今回の記事では、ベランダで栽培するのに最適な5種類の野菜と、それらの野菜の生育方法を紹介します。

1. 分葱(わけぎ)

分葱(わけぎ)(‘Uncle Carl’ (カールおじさん)., CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons)

 分葱は最も生育しやすい植物とも言えます。新鮮なものでも、長期間の保存で葉が乾燥したものでも、根を5~10cmほど残して土に埋めておけば、数日で発芽し、すぐに白い葉と緑の葉を持つ新しい分葱が成長します。

 旺盛な生命力をもつ分葱は、柔らかくて肥沃な土壌を好みますので、培養土の使用をお勧めします。なお、タマネギやニンニク類を植えた土は、分葱の植え付けには向きませんのでご注意を。

2. ニンニク

 ニンニクの葉の植え方は分葱と同じくらい簡単です。鱗茎(りんけい)を分けて個別に植えることも、鱗茎全部をまるごと植えることもできます。

 ニンニクは日当たりと水はけのよい土を好みます。また、たとえ土がなくても、水での栽培ができます。そして、収穫して食べ終わった後もまた再生することがあります。

3. チンゲン菜

 チンゲン菜の多くは直播きをします。種を水に浸す必要はなく、直接土に蒔くだけです。そのため、野菜作りの初心者向けの野菜と言えます。

 チンゲン菜は、播種期間が最も長く、適度な温度があれば、年に何回も播種できます。気候が温暖な地域では一年中播種できます。発芽までの時間は最速で24時間、基本的に3日以内には発芽します。

 水やりは欠かせませんが、苗の段階では少な目に、生育が旺盛な時期には多めに与えましょう。過度な散水や高温は、成長しすぎを招くのと根腐れを起こしやすくなります。

 チンゲン菜は成長が早いため、間引きは10日程度、半月程度で少しずつ収穫でき、長くても30日以内に収穫できます。

 チンゲン菜を育てることができれば自信がもてること請け合いです!

4. ほうれん草

 ほうれん草は秋に植えるのがベストですが、ほうれん草には決まった光の要件はありません。収穫時に根が土の中に残っていると、食べきれなくなるほど、葉がまた生えてきます。

 ほうれん草には適切な栽培方法が必要です。具体的には以下の5つのステップがあります。

 ⑴種の浸漬:ほうれん草の種をぬるま湯に約3~5時間浸し、次に冷水に約20時間浸します。

 ⑵発芽:ほうれん草の種を濡れタオルで包み、適当な温度の場所に置き、種子から小さな白い芽が出てくるのを待ちます。

 ⑶播種:植木鉢に白い芽が付いた種をまき、上部に1~2.5cmの厚さの土をかぶせます。

 ⑷水やり:じょうろで霧状の水を少量、数回に分けて吹きかけます。

 ⑸施肥:月に1回、有機肥料を施します。施肥量は鉢の大きさにもよりますが、鉢の中の野菜の根元から3cmほど離れた場所を選び、穴を掘って有機肥料を土に埋めた後、水をかけます。

5. 二十日大根

二十日大根(パブリック・ドメイン)

 二十日大根の長所は、播種後3日で芽が出て、6日で本葉が出て、20~30日で収穫できることです。そこから「二十日大根」と呼ばれています。

 基本的に、二十日大根は一年中播種できますが、夏になると葉が大きくなりすぎて根茎が発育不全になることがあります。そのため、種まき時期は3~5月と9~10月が適期で、発芽後は日当たりのよい場所に移しましょう。

 二十日大根は鉢植え栽培にとても適しています。一日6時間程度の日照時間で十分です。ベランダで育てるのに向いています。

 以上、お薦めのベランダ栽培に最も適した5つの野菜を紹介しました。野菜を育ててみたいけど、土地がなくてできないとお考えでしたら、ベランダでの栽培をやってみてはいかがでしょうか?

(翻訳・夜香木)