米国防省は2日夜、モンタナ州に位置する機密性の高い核施設の上空に、中国から飛来し、機密情報を収集しているとみられる気球を発見した。事件はアメリカだけでなく世界中の注目を集めた。米国防長官は4日、同日午後2時頃に気球を撃墜したと発表した。
米ブリンケン国務長官の中国訪問の前日夜、米国防省は米本土北西部上空に、中国から飛来したスパイ気球を発見したと発表した。
3日夜9時半、中国共産党(以下、中共)当局外交部(外務省相当)は声明を発表し、気球は中国からのものと認めたが、「不可抗力によって規定飛行路線を離れ、米国領空に乱入した、あくまで民間用のものだ」と強調した。注目と質疑が殺到すると、同部は「気象分析などの科学研究に使われる民間のもので、西風の影響で予定のコースから大きく外れた」と改めて主張し、不可抗力による米国領空への乱入について「遺憾の意を表明」した。
米国は中共の声明に直ちに反論。米国防総省のパット・ライダー(Pat Ryder)報道官は、「実際のところ、我々はこの気球を偵察用だと認識している。これ以上の詳細は控える」と述べた。気球は米国領空を侵入していることが事実であり、国際法に違反しているとも述べ、「容認できない事件だ」とも強調した。また、多くの米国の著名人が憤りをあらわにした。
米国現地時間4日午後2時ごろ、米軍の戦闘機は米南東部サウスカロライナ州沖の上空で中共のスパイ気球を撃墜した。米メディアによると、これは米大統領バイデン氏の承認による行動であり、米国は気球の回収作業を進めている模様だという。
今回の気球事件について、「米中の2つの超大国の対立がいつ制御不能な状態に陥ってもおかしくない」とのコメントがあった。
米軍の戦闘機は中共のスパイ気球を撃墜した(GanJing Worldより):
(翻訳・常夏)