3月には中国共産党の両会(全国人民代表大会、中国人民政治協商会議)が開催され、習近平氏政権の新指導チームが発足する予定です。中国共産党は内政・外交で多くの困難に直面しており、譲歩すれば崩壊するため、あらゆる面で強硬な態度で対応していると、専門家が見ています。
ブリンケン米国務長官は今週末に中国を訪問する予定で、米中の緊張が緩和されるかどうかが注目されています。ブリンケン氏は、これまでのインタビューで、中国共産党の台湾侵略への野望を繰り返し警告していました。これまでの香港を見れば、台湾への懸念や注目が高まるのは必然です。
プリンストン中国協会の会長で、「縦覧(じゅうらん)中国」の陳奎徳編集長は1月30日、中国共産党が態度を変える程度で、本当に譲歩することはないため、米中関係に氷解の可能性はないと述べました。米国への打開策がなければ、中国共産党の外交状況は常に今のように、全世界から孤立する状態になるのです。
中国共産党は、国際舞台で直面している様々な問題に対して、後退できず、意地を張るしかないと陳奎徳氏が述べています。香港問題のほか、新疆の人権問題、中国での新型コロナウイルス(中共ウイルス、SARS-CoV-2)発生時の隠蔽や、ウイルスの発生源などに対する国際からの責任追究の問題もあります。「これらのすべての問題に関して、(中国共産党は)一つも譲歩することができない。譲歩すれば、退陣することになる」
悪化の一途をたどる米中対立に加え、ここ2カ月、新型コロナウイルスの流行は中国全土を席巻し、病院や葬儀場は重荷にたえない上、中国共産党は新型コロナウイルスでの死亡を厳格に定義・制定し、医師には死亡診断書に「コロナ」という言葉を避けるよう義務付けるなど、流行の深刻さを隠そうとしています。WHOを含む国際社会は、中国共産党が死亡者数を著しく過少に報告していると見ています。
米国在住の学者である胡平氏は1月31日、大紀元とのインタビューで、相当数の人が疫病で死亡し、疫病予防の失策問題は、すでに習近平氏の権力に重大な課題を突きつけていると述べました。「習氏は今、この疫病に関する彼の嘘を見破ることができる情報、声を抑圧することに最も神経を尖らせているのだ。このままでは、彼の指導者としての権威が大きく揺らぎ、彼の地位が脅かされることになる、(そのため)これこそが彼の最大の関心事である」
3年前から続くこの疫病は、多くの中国人の命を奪っただけでなく、中国経済にも大きな打撃を与えています。景気低迷を背景に、中国共産党中央政治局の蔡奇常務委員は1月4日、中国共産党の全国宣伝部長会議で「(中国)経済の明るさをしっかり歌え」と要求していました。
これに対し、「北京の春」の陳維健編集長は1月31日、「彼ら(蔡奇を指す)は、田舎から出てきた者であり、マクロ経済の概念がなく、中国経済が後退している今、彼らは経済(景気)を取り戻す能力が全くなく、李克強氏が続けてやっても取り返すことができない」と述べました。
陳維健氏は、西側諸国の中国製品に対する需要が弱まり、多くの外資系企業が離れていったこと、中国の内需が以前にも増して不足していること、中国共産党が実施した3年間の「ゼロコロナ政策」により、ほとんどの中国人のポケットにはもうお金がなくなっており、少しお金が残っていても使わないようにしていること、などを指摘しました。「輸出経済が弱まり、外資系企業が撤退し、内需が不振を極める中、景気後退はもはや誰の手にも負えない。習政権の新指導部もなおさら何もできない」
(翻訳・藍彧)