寒い冬の日は、私たちに多くの試練を与えてくれます。まずは朝の起床です。暖かい布団の中から出て寒い部屋へ向かうのは、なかなか勇気のいることですよね!
冬になると、気温がガクンと下がるだけでなく、私たちの気分も下がり気味になります。どうしても元気出なくて落ち込んでしまい、やる気も起きなくなります。これは、私たちの身体がバランスのとれたシステムだからです。夏より日照時間が短い冬は、メラトニンやセロトニンの分泌が増え、体内のビタミンDの濃度を低下させる原因となるので、睡眠不足を感じ、気分も落ち込んでしまうのです。
これは冬がもたらす気分障害で、医学的に「季節性情動障害(seasonal affective disorder、SAD)」もしくは「冬季うつ病(winter depression)」と呼ばれます。その主な原因には以下の3つがあります。
1.低下する気温
寒い冬は、気温が下がり、曇りの日も多いので、気分が落ち込み、集中力がなくなります。そのため、運動も減り、さらに気分を下げてしまうという悪循環になってしまいます。
2.短くなる日照時間
冬、日照時間が短くなると、体内時計を司るメラトニンの分泌が多くなり、夏季より頻繁に眠くなります。
3.ビタミンDの不足
太陽光は体内のビタミンDの生成を助けるので、日照時間の短縮はビタミンD不足に直結します。あるイギリスの科学者の研究によると、冬は夏より、人体内のビタミンD濃度が55%も低くなるそうです。ビタミンDは、気分と感情を司るセロトニンのバランスを調和するので、ビタミンD不足は気分を下げてしまう可能性があります。
ここまで読んで「私もそうかも?」と頷いているあなた。長い冬を楽に過ごせるように、何とか克服したいと思っているかもしれませんね。実は、冬季うつ病の克服はそんなに難しい話ではありません。
それでは「冬季うつ病」を簡単に追い払う3つの方法を紹介しましょう!
1.太陽光を浴びる
太陽光を積極的に浴びましょう。朝早く起き、晴れの日であれば、寒くない服装で、できるだけ早く屋外に出て自然の光を楽しみましょう。昼間の日光浴もオススメです。こうすることで、メラトニンの分泌が抑えられ、眠気もとれるようになります。また、週10~20分の日光浴で、体に必要なビタミンDを補う事ができます。
2.ビタミンDを多く含む食品を食べる
日光浴の他、ビタミンDを多く含む食品の摂取でビタミンDを補いましょう。イワシ、シャケ、サバなどのお魚が良いでしょう。そのほか、キノコ類、雑穀米、チーズや卵黄などの食べ物からもビタミンDを摂取できます。
3.十分な睡眠時間を確保する
昼間の眠気を減らすには、やはり夜間の充分な睡眠が大切です。毎日7~9時間の睡眠を目標として、毎日同じ時間に起床するなどの規則正しい生活リズムを心掛けましょう。
以上、「冬季うつ病」を克服する簡単な方法を3つ紹介しました。厳しい冬は春の訪れの兆しです。健康ですっきりとした身体で、暖かい春を迎えましょう!
(翻訳編集・常夏)