インドネシアのニッケル製錬所で先週末、従業員らは賃金や安全性を巡って抗議活動を行った。結局、抗議活動が制御不能となり、多くの車や100以上の社員寮が焼失し、インドネシア人と中国人の労働者それぞれ1人が死亡した。当局は数百人の治安部隊を投入した。
地元公安当局によると、衝突が発生したのはインドネシア中部にあるスラウェシ島モロワリ県の中国江蘇徳龍ニッケル業傘下のPTガンバスターニッケル業(GNI)の製錬所であるという。複数の地元メディアは、抗議が発生した原因は、労働者らが賃金の引き上げと安全な働く環境を求めていることにあると報じた。
地元メディアが公開した動画には、工場のあちこちで火が出て、複数の車が燃え、従業員らが逃げ惑う混乱した様子が映っている。
同製造所は、過去に労働者を搾取や殴打、賃金の差し押さえなどの現象があると複数のメディアに摘発されていた。米国ニューヨークに本部を置く民間組織「中国労動者観察」は2022年初めに、2020年6月から100人以上の中国人労働者の助けを求めるメッセージをもらった。同製造所でパスポートの没収、賃金の差し押さえ、超過勤務などの現象がしばしばあることを明らかにした。
(翻訳・吉原木子)