中国経済(看中国合成写真、pixabayより)

 ブルームバーグの報道によると、中国の2022年上半期の31の省区市の財政は全て赤字になっている。上海、天津市、海南省、寧夏回族自治区の財政赤字が比較的少ないほか、四川省、河南省、広東省、湖南省、雲南省の財政赤字が大きく、いずれも2800億元(5.46兆円)以上となっているという。

 中国の不動産企業が相次いで財務危機に陥り、多くの外資系企業が中国から撤退する中、中国の財政赤字は2022年9月まで7兆1600億元(約137.7兆円)近くまで急増し、最高額を記録した。

 中国メディア「財新網」9日の報道によると、2023年度中国地方債の発行が始まった。18の省と市が公開した資料によると、第1四半期の地方債発行計画額は兆元を超え、そのうち新たな特別債が9000億元(約17.5兆円)近く増加したという。

 中国問題の専門家で著名な経済学者の程暁農(てい ぎょうのう)氏は9日、ラジオ・フリー・アジアとの取材で、「2022年に中国の31の省区市の財政がすべて赤字になるため、新たな地方債を発行する必要がある。2023年は2022年より良くならないと予想される。地方政府は地方の土地を売却可能な資産として扱い、地方融資平台(注1)を設け、銀行からお金を借りる。しかし、借り入れたのは国民の預金であり、国民の預金をすぐに融資平台から財政に振り込み、その年の財政収入として扱うことになる」と指摘した。

 程氏はまた、「中国では、銀行は地元政府の管理下にある。地元政府は任意に銀行からお金を受け取ることができる。しかし、銀行がお金を作らず、預金者のお金を使うしかない」と述べた。

 注1:地方融資平台(ちほうゆうしへいだい、英: Local government financing vehicle)は、中国の地方政府傘下にある、資金調達とデベロッパーの機能を兼ね備えた投資会社

(翻訳・吉原木子)