会議中の中国官僚たち(イメージ:Gisling / Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0

 多くの中国共産党(以下、中共)高官はこのほど、今回の感染拡大で亡くなっており、日頃の特等待遇を以てしても彼らの命を救えなかった。

 ジャーナリストの曽慧燕(そう ええん)氏は3日、中共外交部の高官の息子が父親の感染から、火葬に至る過程を記録する日記をリツイートした。

 記事には、「父は12月25日に亡くなった。霊安室は空いている場所がないため、仕方なく遺体を病院のベッドで一日置いた。その後、父の遺体は病院の大きい空室に転送することになった。空室の中には、大きな三階の棚があり、上には遺体を包む黄色い袋がいっぱい置いてある。見渡す限り黄色い袋ばかりで、魂が震撼された」と書いた。

 記事にはまた、「その後、中共中央弁公庁の助けを得て、北京市八宝山葬儀場が父の遺体を受け取ることに同意したが、棺がなく、大きなシーツで遺体を巻けばいいと言われた。中央弁公庁に助けを求めた後、ようやく「紙の棺」を貰えた」と書いた。

中共高官のため専用の火葬炉を設けている北京市八宝山火葬場(N509FZ, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

 「紙の棺」について、記事には、この『紙の棺』を馬鹿にしてはいけない。八宝山は毎日、1000以上を火葬している。多くの庶民は棺なしで火葬されたと書いた。

 記事の最後に、中共の正部級(日本の大臣と相当する)官員である父でさえ、こんなひどい目にあっている。一体どれほどの人が霊安室や火葬場などが見つからないことに、憤慨していることだろう。3年前に武漢で発生したことが、今、北京で再現した。この国にまだ希望があるのかと嘆いた。

 曽慧燕氏は「中共の外交に多くの貢献をした正部級官員の最後の特別待遇は、ようやく『紙の棺』に入られたことだ。これこそブラックジョークだ」とツイートした。

(翻訳・吉原木子)