中国で「ゼロ・コロナ」政策を緩和して以来、感染拡大が深刻化している一方、経済にも新たな問題が生じた。
300万のフォロワーを持つ微博(ウェイボー)ユーザーの李霊傑さんは、広東省深センでローンで購入した部屋がこのほど、銀行に再評価された。結局、評価額が下がったため、銀行からローン契約による差額の支払いを求められ、50万元(約950万円)を銀行に支払うことになったと投稿した。
李さんはまた、「これまで住宅価格は上昇し続けてきたため、住宅価格が下落したら、差額を支払わなければならないという条項に誰も注目していなかった」と述べた。
現在、中国の住宅価格は軒並み下落しており、李さんの投稿は多くのネットユーザーの不安を引き起こしている。
香港中文大学の高級講師である李兆波氏は28日、ラジオ・フリー・アジアとのインタビューで、「李霊傑氏のケースは典型的な負の資産のケースだ。住宅価格の下落幅がローンより大きい場合、銀行側は差額の返済を要求することができる。これは今の景気が良くないことを示している。これから他の問題も徐々に浮上するだろう」と述べた。
オーストラリア在住の経済学者である司令氏は、「深センは中国で最も重要な経済都市の一つで、市場状況に最も敏感だ。今回、深センで『負の資産』というケースが現れたのは、中国の不動産バブルが崩壊に近づいたことを示している。今住んでいる部屋が『負の資産』になったことは、中国経済がより深刻な状況になっていることを示している」と述べた。
同氏はまた、「『負の資産』は、中国の不動産に新たな危機をもたらす」と強調した。
(翻訳・吉原木子)