複数の医学専門家はこのほど、今後3カ月の間に、中国人口の6割が新型コロナウイルスに感染し、数百万人が死亡する可能性があり、更に新たな変異株が出現する可能性があると明かした。
ニューイングランド複雑系研究所の新型コロナウイルス研究タスク‐フォースの責任者である丁亮(Eric Feigl-Ding)氏はこのほど、「今後3カ月の間に、中国人口の6割、すなわち世界人口の1割が新型コロナウイルスに感染し、死者は数百万人に達する可能性がある」と述べた。
同氏はまた、「中国当局が今、『ゼロ・コロナ』政策を緩和した目的は、感染する可能性のある者はすべて感染させ、死亡する可能性のある者はすべて死亡させる。そして、早期に感染させ、早期に死亡させ、早期にピークに達し、早期に生産を回復させることにある」と述べた。
ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によると、北京市の葬儀場は「ゼロ・コロナ」政策を緩和して以来、毎日大量の遺体を受け入れており、スタッフは24時間働いても、依然として手が回らない状態だという。
ある女性スタッフは、「自分が働いている葬儀場では、普段は1日に30体~40体の遺体を受け入れているが、現在は1日およそ200体の遺体を受け入れている」と暴露した。
中国当局は過去3年間、「ゼロ・コロナ」という極端な防疫政策を取り、中国経済に大きな打撃を与えただけではなく、国民をも苦しめていた。当局は勃発した民衆の抗議デモと経済の大幅な下落という二重の圧力の下で、12月から突然、極端な防疫政策を緩和した。これは民衆の混乱と困惑をもたらしただけでなく、爆発的な感染拡大をももたらした。
これに対して、多くの医学者は、急激な感染者数の増加によるウイルスの変異を懸念している。
シンガポール国立大学Saw Swee Hock(ソー・スウィー・ホック)公衆衛生学部のアレックス・クック (Alex Cook) 准教授はロイター通信とのインタビューで、「感染症や伝染病がピークに達するたびに、新たな変異株が出現するリスクがある。感染が深刻であればあるほど、そのリスクが高まる。現在、中国の状況は非常に厳しい」と述べた。
米国務省のネッド・プライス(Ned Price)報道官は19日、「中国での感染拡大は、新たな変異株を生み出す可能性がある。これはほかの地域の人々の脅威にもなる」と述べた。
(翻訳・吉原木子)