7世紀に大流行したペストの様子を描いている絵画「ローマのペスト」(パブリック・ドメイン)

 いよいよ過ぎ去ろうとしている2022年では、多くの重大な出来事が起こり、全世界にとって非常に悲しい年であったが、中国人にとっては、異常天候が集中的に発生し、天災や人災が頻繁に起こり、人々がもがきながら生きようとした年であった。

 2022年5月、浙江省舟山市と福建省福州市の空が相次いで真っ赤になり、ほぼ同時に広西チワン族自治区の西部に位置する百色市の楽里川の水も突然真っ赤になった。

 4月、黒竜江省と吉林省の一部の都市の上空に「血の月」が現れた。また、今年の中秋節(9月10日)の夜、北京の上空にも真っ赤な月が現れ、「血のような光」が大地を覆っていた。3月、北京の空に青い太陽が出現し、8月、四川省広安市の上空に3つの太陽が現れた。これらの奇異な天象により、「凶事の前兆なのか?何かが起こるのか」と不安視する民衆が多くいた。

 ほかにも、青海省の砂嵐広東省と江蘇省の竜巻福建省福州市の巨大な黒い雲などがあげられる。また、新疆アルタイ地区が一夜にして、夏から冬になった。新疆で雪が降りしきる一方、四川省、重慶市など一部の省市は高温に苦しめられていた。深刻な乾ばつで長江の一部で川底が露呈するほど水位が下がった。鄱陽湖洞庭湖が牧草地になるほど干ばつであった。各地での火災や豪雨、雹、山津波、土石流、地震などが今なお相次いでいる。

 さらに、泣きっ面に蜂であるのは、天災は常に人災を伴っている。上海を含む30以上の都市は強制的にロックダウンされ、数えきれない二次災害をもたらした。餓死、飛び降り自殺した人が大勢いた。極端な防疫政策は民衆を苦しめていた。新疆ウルムチ市では11月24日に火災が発生し、当局の封鎖で消火が遅れ、10人が死亡した。これをきっかけに、全国の数十都市で「白紙革命」が勃発し、ついに「習近平は退陣せよ、中国共産党は退陣せよ」と叫び出した民衆もいた。

 ところが、当局は突然、「ゼロ・コロナ」政策から「全面的開放」に移行した。これによって、中国各地での感染拡大が引き起こされた。中国共産党(以下、中共)の内部会議によると、1日あたり約3700万人が感染され、20日間で約2億4800万人が感染されたという。全国各地で解熱剤や風邪薬が売り切れ、医療システムは重荷になり、中共の高官専門家、各業界の著名人が相次いで亡くなったにもかかわらず、中共は依然として感染者数や死亡者数の真実のデータを隠し、外国の援助を拒否した。

 世界保健機関(WHO)の緊急事態対応を統括するマイケル・ライアン氏は14日、「中国で感染者が爆発的に増えているのは、政府が『ゼロ・コロナ』政策を緩和したためではない」、「中国当局が厳しい防疫措置を解除するずっと前から、新型コロナウイルスは既に中国で集中的に広まっていた」と暴露した。

 東洋の文化では、疫病は疫病神が天命を受けて、天に叛いた悪人を淘汰するものだと信じていた。西洋の文化では、疫病は「神に叛いた人間」への罰として、そのまま描かれている。7世紀に大流行したペストの様子を描いている絵画「ローマのペスト」では、白い翼をした天使がある屋敷の前で指を差し示し、槍を手にした悪魔に槍で扉を1回、2回と叩かせる。すると叩いた数だけ人が順番に亡くなっていく様子が描かれている。

7世紀に大流行したペストの様子を描いている絵画「ローマのペスト」(パブリック・ドメイン)

 古代の中国人は天人合一を信じ、神仏を敬っていた。しかし、現在の中国人は中共の無神論に洗脳され、伝統的な信仰や道徳から遠く離れている。中国人は中共を離れ、神に懺悔し、道徳を高めてこそ、神の保護を受け、災いから逃れることができるのだ。

(翻訳・吉原木子)