(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 中国での感染拡大はますます深刻になってきたが、中国当局は真実なデータを隠そうとしている。中国国家衛生健康委員会が25日に発表したデータは地方政府が発表したデータとあまりにもかけ離れており、誰がデータを捏造しているのかと疑われる。

 中国国営メディア「「青島日報」23日の報道によると、山東省青島市で、1日の新規感染者数は49万人から53万人に達しており、これから毎日、更に10%のペースで増加する見込みだという。

 一方、中国国家衛生健康委員会24日の報告によると、中国全土で新たに感染した人数は4103人にとどまり、山東省では31人しかなかったという。

 ザ・国際サービススクール(SIS) アメリカ大学(American University of International Service)の張揚(ちょう よう)アシスタント・プロフェッサー(注1)は、「青島市は1日あたりの新規感染者数を公に認めた最初の都市かもしれない。50万人は同市人口の5%に相当している。一方、国家衛生健康委員会が公表した感染者数は、青島市の1日あたりの感染者数の1%にも満たない数字だ」とツイートした。

 山東省だけではなく、広東省も同じ問題があった。広東省東莞市政府が23日に発表した数学的モデルによると、同市では1日に30万人の新規感染者が発生しており、感染スピードは更に加速していることが分かった。しかし、国家衛生健康委員会の報告では、広東省での新規感染者は829人にとどまっている。

 また、「山西晩報」によると、山西省太原市では最近、「救急」の電話が急増し、一日に4,000件を超えているという。しかし、国家衛生健康委員会の報告では、山西省での新たな感染は69人にとどまっている。

 ネット上に出回っている国家衛生健康委員会21日の内部会議の議事録によると、中国では20日の新規感染者数が3700万人に達し、1 ~ 20日の累計感染者数は2億5000万人に達したという。

 シドニー工科大学中国問題の専門家の馮崇義(ふう すうぎ)教授は大紀元とのインタビューで、「データ操作は中国共産党がこれまで使ってきた常套手段で、災害による死亡者数にしても、中国の経済データにしても、すべてが捏造だ」と指摘した。

注1:アシスタント・プロフェッサー(Assistant Professor)とは、アメリカ合衆国、カナダの大学における教授職の一つ。 教授(Professor)、准教授(Associate Professor)に次ぐ職位にあたる。

(翻訳・吉原木子)