米国国務長官マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)(Samira Bouaou / 大紀元)

 米国のポンペオ国務長官は、中国政権を掌握する中国共産党を米国国家安全保障に対する脅威とみなし、その世界制覇の野心を警戒するという新しい米国の対中外交政策を打ち出している。これは、数十年ぶりに米国の高官が14億人の一般中国国民と約9000万の党員を持つ中国共産党を区別しようとしていることを示している。さらにポンペオ国務長官の発言は、1949年に毛沢東の指導の下に創設された中国共産党政権の合法性をも直接的に揺るがしている。

 ポンペオ氏は10月30日夜、ニューヨークで開かれた重要外交政策演説で、「中国共産党は闘争と全人類の支配に力を入れている。これは彼らの指導者の話を聞くだけで分かる」と話した。

 一方でポンペオ氏は演説で、「我々は中国人民と長い友情を持っている。しかし、今日の中国共産党政権は中国人民とは違うと言わなければならない」とも話した。

 ポンペオ氏は、中共政権の米国国家安全保障に対する挑戦に、米国がより直接的に対応するよう呼びかけた。彼は、米国は中国からの脅威に対する認識が遅れており、数十年間にわたって中国の台頭を奨励してきた。このような台頭が米国の価値観、西側の民主主義、安全と良好な常識を損なったとしてもだ。

 ポンペオ氏は、中国がもたらす軍事的危険が高まっていると述べた。彼は、「中国も新しい兵器を開発し、米国国家安全保障を脅かしていることを知っている。米国だけでなく、米国と同じ価値観を持っている国をすべて念頭に置いている」と話した。

 ポンペオ氏は、今後数か月にわたって一連の演説を発表し、さらに中国共産党政権の脅威について述べる予定だ。演説では、中国共産党のイデオロギーや価値観、米国や世界への影響を盛り込んでいる。さらに中国が大規模に建設している中国の国防的な需要をはるかに上回る核兵器と通常の軍事力についても議論する。

 また、米国に対する中国共産党の干渉を明らかにし、共産主義制度を世界に広めるための中国共産党の取り組みも明らかにする予定だ。

 ポンペオ氏は、「米国は中国に対抗するためではなく、繁栄し、平和的に自分の国民と隣国を扱う中国を見ることを望んでいる」と述べた。

 米太平洋艦隊退職したの元情報戦担当主任ジェームズ・ファネル大佐は、今回の演説は米国の対中外交を主導してきたキッシンジャー氏の「中国との接触」政策の解体を示す重要な記念碑だと述べた。ファネル大佐は次のように述べている。「ポンペオ氏は米国と中国のイデオロギーの根本的な違いを明確に述べており、一方は自由と民主主義を、もう一方は中国共産党の全体主義的統治を表している。」

(翻訳・柳生和樹)