江志成(江沢民の孫)は、2010年9月に香港で投資会社「博裕資本」を設立し、プライベートエクイティ投資を行い、ケイマン諸島などのタックスヘイブンに多くのシェルカンパニーを登録した。博裕資本は、アメリカで「Boyu」という名称で米国証券取引委員会に登録された関連会社が4社もあり、合計41億米ドルの純資産を有している。(大紀元より)

 中国当局は11月30日、江沢民の死去を発表した。瞬く間に、江沢民は国際世論の焦点の的となった。

 江沢民が2000年に香港を訪問した際、「こっそり大儲けする」という言葉を用いてジャーナリストを叱責した。「こっそり大儲けする」という言葉も、江沢民時代の官界の真実の描写となり、江沢民退陣後の中国共産党の大きな「政治的遺産」になっている。江沢民の「こっそり大儲けする」政策も、中国共産党の官僚組織を完全に腐敗させたことにもつながった。

 では、江沢民はどのようにして「こっそり大儲け」していたのか?

 中国銀行香港支店の元取締役副会長である劉金宝は、汚職、収賄などで2003年免職され、北京で逮捕される。2005年8月12日に死刑が判決された。香港週刊誌「開放」の記事によると、国際決済銀行が2002年12月に、20億米ドル(約2731億円)以上の中国流出資金の名義人が不明であることに気づいたという。かつて中国銀行上海支店長を務めた劉金宝は、それは中国共産党第16回党大会の前に、江沢民が自分の逃亡のために海外に送金したのだと、獄中で明かした。

 2007年の中国共産党第17回党大会の前、財政部長であった金人慶が突然解任された。当時の胡錦濤総書記と温家宝総理は、朱鎔基元総理時代の約1000億元(約13.6兆円)資金の行方を調査してた。情報筋によると、朱鎔基元総理の承認を得ずに、江沢民と金人慶が共謀して国庫からこの金を海外に送金したという。

 アメリカの中国語ウェブマガジン「中国事務」によると、江沢民はスイス銀行の秘密口座に3.5億米ドル(約480億円)を保有しているという。また、江はインドネシアのバリ島に豪邸を持っており、これは1990年代に中国の元外交部部長である唐家璇が1000万米ドル(約13.7億円)で江のために購入したと伝えられている。

 江沢民が中国共産党のトップに立った後、アメリカで仕事をしていた長男の江綿恒に、早めに中国に帰って「こっそり大儲け」するようと言ったそうだ。上海のビジネス界の関係者によると、江綿恒は数え切れないほど多くの取締役職を兼任しており、上海の河川横断道路や地下鉄の取締役まで、上海の最も重要な経済分野に手を出しているとのこと。

 「開放」誌によると、江沢民の二人の息子、江綿恒と江綿康は、上海周辺の不動産業に従事していたとき、土地をただで獲得しており、自分たちは一銭も払わなかったという。

 江沢民の孫(江綿恒の息子)である江志成が支配する富はさらに計り知れず、富豪番付に載っている最も裕福な中国大物をはるかに上回っており、中国における真の「富豪」である。江志成は2009年に米国のハーバード大学を卒業し、2010年9月に香港で投資会社「博裕資本(Boyu Capital)」を設立し、プライベートエクイティ投資を行い、ケイマン諸島などのタックスヘイブンに多くのシェルカンパニー(ペーパーカンパニー)を登録した。

 江志成は、アリババ、アントグループ、配車アプリ大手の滴滴出行(ディディチューシン)、テンセントなど、中国で最も収益性の高い企業に投資している。彼は、上場前に大儲けできる会社に「的確に」投資し、上場が成功したらすぐに株を売却して大儲けしている。博裕資本は、アメリカで「Boyu」という名称で米国証券取引委員会に登録された関連会社が4社もあり、合計41億米ドル(約5600億円)の純資産を有している。

 江沢民一族は、中国国民から中国共産党の中でもナンバーワンの腐敗した一族とみなされている。2019年4月、アメリカに亡命した中国人実業家の郭文貴は、江沢民一族が海外で支配している富は少なくとも1兆米ドルあり、すでに5000億米ドルがロンダリングされていることを明らかにした。

(翻訳・清水小桐)