唐の太宗皇帝・李世民(看中国/Vision Times Japan)
唐の太宗皇帝
貞観二年(西暦628年)、京城長安付近で大干ばつが起き、イナゴが大量発生しました。イナゴが通った所には草一本生えておらず、農作物の被害は極めて大きかったのでした。
ある日、唐の太宗皇帝は庭でイナゴが農作物をひどく食い荒らしているのを見かけると何匹かを捕まえて、「民衆が生きていくのに必要な作物を食い荒らすとは。それなら、わしの内臓を食べるがよい。だから絶対に民衆の命を奪うようなことはしないでくれ」と太宗皇帝が言うと、左近、右近の侍従たちは諫めるように言いました。
「これらは害虫でございます。ですから食べてはなりません。食べれば病気になります」と言った。
しかし太宗皇帝は、「イナゴが民衆に与える災難がわし一人のところに留まれば良いと思っているのだ。朕は民の為に災いを引き受けるつもりだ。病気を恐れているようではどうやって災いを回避できようか」と言い終わるや否やイナゴを飲み込んでしまいました。
史実によれば、太宗皇帝のこのような仁徳は天地を感動させ、その年、各地でイナゴの害は即止み、災害が起こることはなくなりました。
太宗皇帝は常に民衆のことを思い、周辺国のことを気にかけ、民衆を大事にしたので、この後、国家も民衆も安泰となり、周辺の少数民族さえ彼を敬服し、唐の時代は燦燦と光り輝く世となったそうです。
(おわり)
(文・天煕/翻訳・夜香木)