中国青海省地域の複数区間の「青海チベット鉄道(青蔵鉄道)」が崩壊し、運行が停止していることを示す動画が16日、ネット上に出回り、ネットユーザーの間で話題になっている。
チベット亡命人民議会のガサンジェンツァン(格桑堅参)立法議員は、希望之声に対し、「こうした事故の可能性は非常に高い。2019年に新型コロナウイルスが発生して以来、青海チベット鉄道はもともと壊れていなかったものの、その後しばらくしてチベット自治区ラサ市が制圧されてからは、列車がほぼ運休した状態だった。数カ月経つと、気候変動や永久凍土の影響で、最終的にはメンテナンスの問題が多く出てくるでしょう。多くの人から事故が起こる可能性があると警告されていた」と述べた。
公開情報によると、青海チベット鉄道は1958年に建設され、中国西部の青海省西寧市とチベット自治区ラサ市を結ぶ高原鉄道で、総延長1944キロメートル、開通まで50年近くかかり、総投資額は330億元(約 6457億円)とされている。特にその中で、ゴルムドからラサまでの区間は永久凍土の上に建設されている。
チベットの人権団体は、青海チベット鉄道がチベットに経済的利益をもたらすかもしれないが、中国各地の漢民族がチベットに定住することを促し、チベットの文化・伝統を脅かすことにもなっていると指摘した。
ガサンジェンツァン氏は、「私たちチベット人にとって、この鉄道は実は何の役にも立たない。壊れている方がうれしい。中国(共産党)政府は、青海チベット鉄道を軍事利用するだけではなく、その最終目的は、大量の漢民族をチベットに移住させ、チベットの鉱物、チベットの貴重なものをすべて運び出すことであり、これは略奪だ。この鉄道は、最も速い時間に大量の人をチベットへ派遣して支配することができる。チベットで建設している重要なプロジェクトのいくつかは、中国共産党の人員を駐在させるためだけのもので、原住民には何のメリットもないのだ」と述べた。
(翻訳・藍彧)