11月15日から16日にかけて、第17回G20サミットがインドネシアで開催された。今回のサミットにおける習近平氏と各国首脳の交流は、今後の中国と各国との関係や国際関係の方向性を反映していると言えるだろう。
バイデン米国大統領は16日、習近平総書記と3時間以上にわたって会談した。会議後に米中が発表したプレスリリースでは、両首脳会談に対する解釈は、主に台湾海峡問題で大きく異なっていることが明らかになった。
また、中国の体制、人権、経済のデカップリング、ロシアによるウクライナへの侵攻、北朝鮮などの問題においても、米中が互いに自分の考えを述べており、「合意」は全く取れていない。台湾海峡問題が米中関係において最も争点となっていると見ている専門家もいる。
ボイス・オブ・アメリカの報道によると、バイデン・習近平会談は米中関係が谷底から抜け出すのに役立つが、両国間の長年の戦略的対立は全く変わっていない。バイデン政権は中国共産党との関係緩和を推進しているが、他の当局者は依然として強硬な政策をとっていると考える学者もいる。米国の対中政策は、今や「言葉は柔らかいが、手に大きな棒を持っている」というものである。
ロイター通信によると、カナダのトルドー首相は習近平総書記と約10分間非公式に会談し、その中で中国共産党によるカナダへの「干渉行為」に対して「深刻な懸念」を表明したという。カナダ政府の消息筋はロイター通信に対し、これは2019年のカナダの総選挙に対する中国共産党の干渉疑惑を指している可能性があるという。
カナダ安全情報局(CSIS)の報告書によると、カナダの複数の国会議員の事務スタッフは中国共産党のスパイであるという。
オーストラリアのアルバネーゼ首相は16日、習近平総書記と初めて直接会談を行った。しかし、会談はわずか30分しか続かなかった。
オーストラリアのベテランジャーナリストで政治学博士の林松(りんそん)氏は「大紀元」に対し、今回の会談は通訳を含めて30分間しか続かず、両首脳が実質的な話をするのは困難であったことを示唆していると述べた。
豪中関係破たんの主な原因は、オーストラリアが北京から根拠のない貿易制裁を受けたことであり、両国は重要な問題で立場が全く異なり、首脳会談で実質的な進展を得ることは不可能であったと、歴史学者の李元華(りーげんか)氏が主張した。
英国のリシ・スナック首相は16日午後、習近平総書記と会談する予定だったが、「スケジュール上の理由」で会談はキャンセルされた。サミットで多くの首脳が習近平氏と会談したのと対照に、スナック氏のこの動きは特に注目された。
台湾の中央通訊社によると、スナック首相は15日、G20サミットに向かう専用機で記者の質問に答え、「台湾に対する我々の政策は非常に明確で、一方的に現状を変えてはならず、平和的に解決すべきものだ。中国(中国共産党)の侵略に対抗するように、台湾を支援する準備が常にできている」と述べた。
岸田文雄首相はG20サミットでは習氏と会談しなかった。しかし、岸田首相は17日夜、タイのバンコクで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の閣僚会議で習氏と会談する予定だ。会談では、岸田首相が尖閣諸島や台湾周辺の中国の動きについて日本政府の立場を表明する予定という。
(文・黎宜名/翻訳・藍彧)