米空軍傘下のシンクタンクが中国共産党(以下、中共)ミサイル部隊の詳細を公開した後、YouTubeの軍事チャンネル「探索時分」のコメンテーター周子定(しゅうしてい)氏は11月5日、もし中共が台湾の7つのミサイル旅団に対して3波のミサイル攻撃を行っても、台湾の6つの基地しか破壊できず、台湾は依然として反撃する能力が十分あると分析した。
周氏は、中共ロケット軍の短・中・長距離弾道ミサイルにはそれぞれ用途があると指摘した。長距離ミサイルは米国に対して使うもので、台湾海峡での戦争で使われる可能性は低い。その中で短距離ミサイルこそ台湾を脅かすための武器である。例えば、DF-11(東風11)、DF-15(東風15)、DF-16(東風16)、射程距離は1000キロ以内である。
周氏はまた、中共ミサイル部隊の配備状況を分析した。湖南省懐化市(かいかし)の第63基地には1旅団の「CJ(長剣)10」地上攻撃巡航ミサイル 、1旅団の短距離弾道ミサイルを配備している。安徽省黄山市(こうざんし)の第61基地は対台作戦の主力で、4旅団の短距離弾道ミサイルを配備している。山東省済南市(さいなんし)の第65基地には、台湾攻撃にも使える長距離巡航ミサイル「CJ-100(長剣100)」の旅団が配備されている。
ウクライナ国防省によると、ロシアのミサイルに対する同国の防空システムの有効迎撃率は55%だったと周氏が述べた。台湾の防空システムはウクライナよりはるかに優れており、55%以上の迎撃率を持つはずだ。
中共ミサイル部隊の編成によると、第一次ミサイル発射の際に最大400発のミサイルを発射することができ、そのうち180発は台湾の迎撃システムを回避できると周氏が見ている。中共ミサイルの命中率の低さを考えると、せいぜい140発のミサイルが目標に命中できるだろう。
アメリカのシリア攻撃で軍事基地を完全に破壊するのに76発のミサイルが必要だったことを考えると、140発では台湾の2つの軍事基地を完全に破壊するのに十分な量にしかならない。仮に7つのミサイル旅団をすべて出撃させたとしても、3波にわたって攻撃した結果、台湾の6つの基地を破壊するのが精一杯であろう。
台湾には12の軍用飛行場や数十の民間飛行場があり、さらに軍事指揮センター、その他の陸海空軍の基地もあり、3波のミサイル攻撃を受けても、台湾軍は十分反撃できる能力を備えているのだ。
台湾の多くのコメンテーターは、中共がいったんミサイルを発射すれば、台湾には反撃能力がなくなると考えている。それに対し、周氏は「それは完全に間違った考えである」と述べた。
(翻訳・藍彧)