女性が地面に座り込んで、「726号室、全員死んだ!」と叫びながら号泣している(ツイッター動画のスクリーンショット)

 中国河南省鄭州市のフォックスコン工場の長期的封鎖により、従業員は悲惨な状況に陥り、1万人以上の従業員が工業園区から脱出した。この事件は現在、国内外の世論の焦点となっている。

 中国のSNSに10月29日、フォックスコン従業員が有刺鉄線のフェンスを登り越えたり、防疫検問所を突破したりなど、荷物を持って逃げ出す動画が続々と投稿された。また、大勢の従業員たちが高速道路に沿って徒歩で帰宅する様子が映っている動画もあった。道路沿いの多くの住民が自発的に食料や水を無料で提供していた。また、逃げ出した従業員を自宅まで送るトラック運転手もいた。これは鄭州市民が当局の厳しい封鎖政策に対し同じ気持ちで抵抗していることを示しているかのようだ。

 一部のネットユーザーは、大量感染した従業員の生死に当局が無関心で、工場園区内のある寮室で8人の従業員が全員死亡しことが、29日の集団大脱出を引き起こしたとして、現場の動画を複数投稿した。

 ある動画では、フォックスコンの工業園区で深夜、防護服を着た大勢の人が集まり、うち1名の女性が地面に座り込んで、「726号室、全員死んだ!」と叫びながら号泣している様子が映っている。

https://twitter.com/i/status/1587019591766904832

 ロイター通信によると、フォックスコンの鄭州工場におけるクラスターの影響で、11月のiPhone出荷台数が最大3割も減少する可能性があるという。

 10月31日にネット上で流れたフォックスコン創業者である郭台銘氏の動画では、郭氏は「もし、フォックスコンが中国(当局)の脅威に常にさらされていれば、いつでも生産拠点を移転させることができる。フォックスコンは中国本土で最大の輸出企業であり、中国の輸出経済に大きな影響力を持っている。いったい誰が恐れるというのか」と述べた。しかし、この動画の投稿者は、それはいつ撮影されたものなのかを明らかにしていない。

(翻訳・吉原木子)